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積算1万4464km エネルギーコストの高騰に驚く

同僚へ貸していた長期テストのBMW iXが戻り、筆者は仕事のためベルギーへ向かった。1週間弱で走った距離は約1300km。似たルートをディーゼルエンジンのBMW X5で走行した経験があるが、エネルギーコストの高騰に驚かされることになった。

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まず復路で利用したのは、ドーバー海峡を抜けるユーロトンネルの入り口。クルマで渡るには車載列車へ積む必要があるのだが、待ち時間に利用できる急速充電器は、ありがたいことに無料。短時間で、駆動用バッテリーを回復できる点も魅力だ。


BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)

最初の夜を過ごしたのは、ベルギーの北西に位置するブルージュ。トンネルを抜けてから320km程走り、15%まで減っていた充電量を100%へ戻した。

利用料金は、1kWh当たり0.75ポンド(約131円)。半年前は0.4ポンド(約70円)だったから、倍近く電気代が値上がりしたことになる。

利用したのは、アレゴ社の充電ステーション。高速道路のサービスエリアにある施設は、さらに割高だから仕方ない。それでもベルギーでの3泊で、充電に100ポンド(約1万7500円)近く支払うことになった。

復路はブリュッセルからのスタートで、グレートブリテン島の自宅までは約480km。途中のフランスで、さらに充電する必要があった。

1300kmの移動に要した電気代は3万5000円

往路と同様、ユーロトンネルを渡る車載列車を待つ間に、フランス・カレーのターミナル駅へ設置されているテスラ社のスーパーチャージャーを利用した。現在は、テスラ以外のバッテリーEVでも利用できるよう開放されている。

同じ場所には2022年以降、テスラ以外の急速充電器も敷設されている。しかし、他社の急速充電器は非接触型支払いサービスに対応しておらず、結局スーパーチャージャーへ繋ぐことになった。


BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)

ところが、充電開始から10分足らずでケーブルが加熱。充電不可というエラーメッセージが表示され、中断を余儀なくされた。

筆者はこれまで複数のバッテリーEVへ乗った経験を持つが、この状況は初めて。別の充電器で試しても同様のエラーが表示されたため、BMW iX側の不調だろうと判断。ひとまずクルマを車載列車に積み、ユーロトンネルを抜け、英国側で充電を試みることにした。

理由は不明だが、グレートブリテン島では無事に充電が完了。最後に自宅で駆動用バッテリーを満たし、約1300kmの移動でかかった電気代は約200ポンド(約3万5000円)となった。

同じ距離をディーゼルエンジンのBMW X5で走らせたら、14.0km/L程度の燃費で、155ポンド(約2万7000円)ほどの軽油代になるだろう。なかなか小さくない違いといえる。

積算1万5753km 気温で左右される充電速度

現在のバッテリーEVにとって、実際の航続距離や、充電スタンドを無事に利用できるかどうかという不安はつきもの。さらに、その日の気温で充電スピードにも差が生まれる。待ち時間に大きく影響する。

DC充電器から受けられる電力量は、気温が低い状態では最大で110kWh。平均では70kWh程度に留まるようだ。気温が高めだと、最大190kWhまで受け入れられるのだけれど。


BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)

積算1万6108km 久しぶりの1万マイル達成

COVID-19の流行以来、長期テスト車で走る距離は短くなっていた。しかし最近はある程度感染が収まり、オドメーターが10000マイル(約1万6100km)を指す瞬間を久々に目にすることができた。

従来の日常が戻ってきたなと、静かで快適なBMW iXの車内で感慨深くなってしまった。再び流行し、行動が制限されないことを祈るばかり。ちなみに、一時的に代車として乗っていたiX M60では、1000マイル(約1610km)へ切り替わる場面に遭遇できている。


BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)

積算1万6645km 反応が過敏なアクセルペダル

BMW iXは、駐車時にクルマを俯瞰した映像が表示されるため、ステアリングホイールを操作して正しい位置へ導きやすい。しかしアクセルペダルの反応が過敏で、細やかに速度調整しながらバックさせることが難しい。

さらに、狭い駐車場では衝突被害軽減ブレーキが作動し、壁へ接近すると自動でブレーキが掛かってしまう。もう少し、落ち着いた制御を与えても良いだろう。


BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)

テストデータ

気に入っているトコロ

iXそのもの:長距離移動するのに、これほど洗練され快適なモデルは限られると思う。

気に入らないトコロ

電気料金:欧州では充電コストが大きく変動している。提供するメーカーによっても幅が大きい。不透明で、バッテリーEVの利用体験を損なっていると思う。

テスト車について

モデル名:BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)
新車価格:9万9965ポンド(約1749万円)
テスト車の価格:11万6965ポンド(約2047万円)

テストの記録

航続距離:440km
電費:4.1km/kWh
故障:アラーム用センサーの腐食、メーター用モニターのクラッシュ
出費:なし