比嘉一貴は2打差に迫るも、アマ蝉川泰果のロングゲームに力負け「自信の差が出てしまった」
最終日は独走するアマチュアの蝉川泰果(東北福祉大4年)を、6打差から追いかけた比嘉一貴。最終組で蝉川とはほとんど言葉を交わすことなく自分のゲームプランに徹して、最終ホールで2打差まで追い詰めたが、悔しい2位に終わった。
比嘉は4日間トータル8アンダーをマーク。開幕前の大方の優勝予想スコアは一桁アンダーで、比嘉のプランでもトータル8アンダーなら勝てるはずだった。それをトータル10アンダーの蝉川が上回ったかたちだ。
「複雑ですね。悔しい思いもあります。自分としてはタフなコースで、4日間アンダーパーで回れた。自分がもともと思っていた優勝スコア以上のスコアを出すことができた」と感情を殺しながらゆっくり言葉を吐き出す。今大会4日間アンダーパーで終えたのはたったの5人で、4日間すべてでアンダーパーをマークしたのは比嘉1人だけだった。
最終日最終組で蝉川とスタートした比嘉。蝉川が1番、2番を連続バーディとして、その差は8打にまで開いた。それでも焦らずコツコツと自分のゲームプランを貫く。9番では蝉川がグリーン奥のラフから2度の“ダルマ落とし”でトリプルボギーを喫すると、比嘉がバーディを奪ったことで、その差を一気に4打まで詰めた。
後半に入って、バーディがなかなか来なくなった蝉川を尻目に14番、15番を連続バーティとして詰め寄ると、17番で蝉川がボギーをたたく。最終ホールのティイングエリアに立ったところで2打差に。バーディ、ボギーで追いつくところまできた。ところが、比嘉はティショットを右のカート道に曲げてラフにドロップ。セカンドショットは乗ったものの、長いバーディパットは入らず、大逆転とはならなかった。
「積極性に必要な自信というか、ロングゲームの上手さは蝉川選手が僕よりも全然上だった。ロングゲームで自信の差が出てしまった。歴史的な快挙に見合う素晴らしいプレーを蝉川選手はした。本当にすごいプレーでしたね」とドライバーを積極的に振り続けた勝者を讃える。
勝負所でピンを攻めきれなかった自分と比較し、「思いっきりの良さは、僕のほうが学ぶことは多かった」とまでいう。それでも「ナショナルオープンの場でプロが勝つことが威厳だと思っていた」とアマチュアに勝たれてしまった無念の気持ちもある。
蝉川がアマチュアのため、優勝賞金の4200万円は比嘉に加算される。これで獲得賞金は1億3400万円を超え、2位の桂川有人に5000万円以上の差をつけたが、「いまは賞金ランキングのことはあんまり頭にはない」と負けた悔しさが比嘉を覆い尽くす。「まだ残っている試合でしっかり切り替えて、自分のベスト尽くせば良いなと思います」と静かに誓った。
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