エース早川(14番)の4ゴールで帝京相手に快勝を収めた浦和ユース。プリンスリーグ関東で開幕2連勝だ。写真:河野正

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 昨季の高円宮杯JFA U-18プレミアリーグEASTで最下位に沈み、2013年以来9年ぶり2度目のプリンスリーグ関東1部に降格した浦和レッズユースが4月17日、浦和駒場スタジアムで帝京高(東京)との第3節に臨み、4−1の快勝で2連勝した。浦和は同2日の流経大柏高B(千葉)との開幕戦が延期となり、この日が2試合目だった。

 怪我で離脱中のMF堀内陽太主将(3年)を除くと、ほぼベストに近い陣容で臨んだが、前半は複数のパスがつながらず絶好の得点機にまで展開できなかった。やや押され気味ではあったが前半38分、ゴール前の混戦から2年生のMF早川隼平が先制点。ところが4分後に鋭い右クロスから失点してしまい、前半を1−1で折り返した。

 後半に入ると外からのシンプルな攻撃を繰り返してチャンスを膨らませ、早川が3得点する。12分、MF田上亜璃(3年)がドリブルで左サイドを切り裂き、低くて速いクロスを供給すると左足で弾丸シュートを蹴り込んだ。36分はこぼれ球を拾って左足で、39分にもFW清水星竜(2年)のパスを預かって右足で4点目を決め、人生初のハットトリックを完成させた。

 上出来のゴール数とは対照的に1失点に抑えたとはいえ、後半はCKやサイドアタックから決定的なシュートを打たれたほか、PK献上(失敗)やアディショナルタイムに絶体絶命のピンチを招くなど、守備はやや安定感を欠いた印象だ。

 19年5月に就任し4年目を迎えた池田伸康監督は、昨季の反省と課題を十分に検証して今季のチーム作りに着手したそうだ。「去年のように局面での勝負に負けない戦いをしていきたい。ここが一番変えたいポイントになります」と説明し、「攻撃は特色のある選手を活かしてよりアグレッシブに、守備ではどんな相手にも自分たちのスタイルを貫くことを選手に求めました」と“浦和のサッカー”を復興させるために必要な条件を示した。

 堀内をはじめ、田上やDF稲垣篤志(3年)、MF河原木響(2年)ら1、2年生で昨年のプレミアリーグに出場した選手が多いだけに、最下位に終わった雪辱を期す思いは強く、経験値が高いという強みもある。
 

 U-17日本代表として浦和で唯一、3月のJ−VILLAGE CUP U18に出場した早川は「去年のうちからプレミアリーグにたくさん出ているので、2年生といっても自分がチームを引っ張る覚悟で積極的に声を出しています」と来季のプレミア復帰に意欲を示し、「いい選手が同学年には大勢いるので刺激になる。もっともっと成長してチームのために頑張りたい」と攻撃の中心としての自覚を口にした。

 浦和ジュニアユースに所属する中学3年のFW山根且稔は昨年、プレミアリーグを経験済みだ。前節の埼玉・西武台高戦に続き、帝京高戦でも後半途中から出場し、自ら直接FKのキッカーを買って出た。池田監督は「クラブとして大事に育てたい逸材」とニンマリし、「ほかにも途中から出てきて(戦況に)変化をつけられる選手が多い。これも去年とは違う」と解説した。

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 指揮官はもうひとつ、計り知れない大きな戦力が加わったことに大喜びする。昨季限りで現役を引退し、今季就任した阿部勇樹コーチだ。

「気配りと目配り、選手へのアプローチが抜群。練習場には一番乗りで、人間性もすごくて選手と一緒にプレーできるのも大きい。守備はすべて阿部に任せています」

 日本サッカー協会のロールモデルコーチとして、J−VILLAGE CUP U18にも参加した阿部コーチは、浦和ユースが始動した1月半ばから指導者としてのキャリアをスタートさせた。

 ちょうど3か月が経過したが、「選手が一生懸命やっているのは楽しいし、教えたことを理解してプレーしている姿を見るのも嬉しい。どんな指導者になりたい? 誰かの真似ではなく自分は自分ですからね。自分らしくやっていきたい」と抱負を述べると、「Jリーグでも降格すると1年で戻るのは難しいが、必ず1年で復帰できるよう全員で力を合わせたい」と決意を示した。
 

 浦和は11年にプレミアリーグに初昇格したが、わずか2年で降格。16年にプリンスリーグ関東を制し、プレミアリーグ参入戦を勝ち抜いて復帰するまでに4年かかった。

 12月4日の最終節に首位に立っていることを目ざす池田監督は、「どんな形でもいい。何が何でも来年復帰する」と結んだ。

取材・文●河野 正