しょう油最大手で、加工食品を手掛けるキッコーマン新社長・中野祥三郎さん(1957年生まれ)は、食品会社としての抱負をこう語る。

 コロナ危機は様々な気づきを与えてくれたが、人々の健康に対する思いは強いと中野さん。

「しょう油の中ではやはり一つは減塩です。コロナを経て、健康に対する意識は相当高まっているということで、塩分66%カットといった減塩系は高齢者がターゲットですが、若い方にも使っていただきたいと思います」

 巣ごもり需要も依然高いし、「〝ごはんシリーズ〟など簡単に理できる商品も提案していきたい」という。単身世帯の増加など、社会構造の変化にも対応していく考えだ。

大成建設のビジョン
 持続性のある成長をどう果たすか──。「10年後の2030年を見据えた長期ビジョンに基づいて、今回の中期経営計画(2021年度―2023年度)をつくりました」と語るのは大成建設社長の相川善郎さん(1957年生まれ)。

「10年後のありたい姿を描き、そのためのワンステップとして、今回の中計をつくりました」と相川さんは語り、今は自然災害を含めリスクの多い世の中なり、中長期にも「レジリエンス(復元力、柔軟性)をキーワードに事業計画を考えていきたい」と強調。

 2050年にCO2排出を実質ゼロにするという政府の『カーボンニュートラル』策にも沿い、「ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)技術を向上させていく」という。

 ビル自体が太陽光発電を行う仕組みだとか、陸上や洋上の風力発電事業などエネルギー領域でのレジリエンスを追求していく考え。

 海外との連携も重要なケース。「海外では、とかく大型プロジェクトを追いかけがちだったが、環境、土木、それに空港建設など、その国が本当に必要とするもの、生活に根ざした事業を東南アジアなどで展開していきたい」と相川さんは語る。

雪舟の庭園めぐり
 その相川さんの趣味は、「庭園めぐり」だという。庭園は池や小川、それに庭石をどう配置するかということで、建築の道にも通じる。

 日々、ビジネスの世界に身をおくと、喧噪にも包まれる。週末や休暇に、静寂な庭園の美に身を置くことで、落ち着きと明日へのエネルギーを涵養するということであろうか。

「赤倉(新潟県)から信州の小布施まで妻と二人で回ったことがあるんです」──。日本百名山の1つ妙高山の麓にある赤倉観光ホテルの建設には大成建設の源流・大倉財閥の2代目・大倉喜七郎が関わっており、先人たちの仕事にも思いを致す相川さん。

 相川さんの庭園めぐりでは、室町時代の画僧・雪舟に縁のある所が多いという。

「山口市の常栄寺の庭園も雪舟の築庭といわれていますね。守護大名の大内家の庇護の下、雪舟は心をこめて作ったとされています。九州や西日本には古事記にちなんだ名所旧跡が多いですね」と各地の庭園、旧所巡りが楽しみだという相川さんである。

【おすすめ記事】【倉本聰:富良野風話】捨てる