撮影時は変顔を連発していた

「僕の芸風に影響を与えた人を何人か挙げるとなると、NSC時代の同期のケンドーコバヤシ、先輩のなだぎ武さん、竹中直人さん、あと芸人じゃないけど、電気グルーヴさん、という感じになりますね。昔から “普通じゃない人” に憧れてきました」

 そう語るのは、ハリウッドザコシショウ(47)。自らの芸風を異端だと自覚するからこそ、自身のブレイクも客観視している。

「NON STYLEとか、エハラマサヒロとかは器用すぎて、たまに俺もバカにしてしまうんですけど(笑)、あれはあれでじつはすごい。ああいう芸風があってこその俺らだと思うんです。もし、こっちの芸風が主流だったら、俺なんて絶対に出てこれてないですから。

 たけし軍団は、わりとめちゃくちゃな芸風の人が多いじゃないですか(笑)。俺は子供のころ、ビートたけしさんには憧れたけど、たけし軍団に入ってみたいと思わなかったのは、そういう理由なんです」

 自身を “遅咲きブレイク” へと導いた恩人の数々を、ザコシショウ自ら明かしてくれた。

●人物その1 東野幸治
「『あらびき団』(TBS系)の最多出演は俺なんです。でも、俺が “キング・オブ・あらびき” なんて言われたのも、MCの東野さん、藤井(隆)くんがおいしくイジってくれたからこそ。事前のネタ見せで評判のよくなかった “目玉おやじ漫談” も、オンエアではすごくおもしろくなっていました。『売れた』とはいえないけど、単発では跳ねるようになってきました」

●人物その2 松本りんす
「SMAの後輩なんですけど、いつも第3のビールを飲んでるんで、俺のおごりで鳥貴族のメガジョッキにありつけただけで『ええやん』とか言うんですけど、別になんもええことないやろと。俺が『ええやん、ええやん!』『シュー!』って言うのは、全部こいつが元ネタ。シュー! というのは、こいつが第3のビールを飲みすぎて失禁したときの音ですね」

●人物その3 バイきんぐ
「バイきんぐも元・吉本で、バッファロー吾郎さんのライブで一緒だったんですよ。そのときに小峠と『僕もう、吉本やめて東京行きたいと思ってるんです』『俺もそうなんだよ』なんて話していて『いつかまた、一緒にライブやりましょうね』と別れたんですが、その半年後、俺が上京してナベプロにネタ見せに行ったら、彼らと再会したんです。当時、相方を失って単独ライブのできない俺に、小峠が合同ライブを提案してくれて、そうして始まったのが、バイきんぐとのユニットライブ『やんべえ』です」

●人物その4 平井精一
「俺が2004年から所属する今の事務所(SMA)に、お笑い部門を立ち上げたのが平井さん。来る者は拒まず、誰でも入れるという方針は、平井さんによるものです。俺は2年ほど、事務所が東京・千川に持っている劇場『BeachV(びーちぶ)』に住んでいたんですが、おかげでスタッフさんと接する機会も多かったんで『あらびき団』のオーディションに追加枠で誘われて、結果、俺だけが受かったんです」

●人物その5 スター山下
「SMAは誰でも入れるのが事務所の方針なんで、挨拶しねえ失礼なヤツとか、まったく芸のないヤツもいて(苦笑)。3分間のネタ中、ただただ立って『鉛筆!』って言うだけのおじさんとか。スター山下ってヤツなんか、銀行強盗のコントにガチの包丁使ってましたからね。客の反応? ドン引きですよ。ライブで(包丁が)光ってんですから!」

●人物その6 錦鯉
「『やんべえ』をやるようになったら、噂を聞きつけて、いろんなヤツらが集まってきたんですよ。その中にいたのが、当時はバラバラのコンビだった錦鯉の2人。バイきんぐが『キングオブコント2012』で優勝したときは嫉妬しかなかったけど(笑)、彼らの2020年のブレイクは心底嬉しかったですよ」

●人物その7 田村正和さん
「田村さんが亡くなられたとき、ツイッターに『お前はいつもものまねしてるのに、追悼の言葉を出さないのか』と書かれたんですけど、『なんで尊敬してる人の追悼を、ツイッターのひと言で簡単にすまそうとするの』って言いたいですね。自分なりに心の中で思えばいいと思うし、俺は本当に田村さんを尊敬してたので。もちろん、ネタは封印せずにこれからもやりつづけますよ」

●人物その8 南方師匠
「俺がチャンバラトリオの南方(英二)師匠と絡んだ仕事がありまして、そのビデオをバヤシ(ケンコバ)と一緒に観てたんです。大喜利とは言えないような俺の回答に、南方師匠は悩んだんですね。『なんや、それ? うーん、うーん……なんや、それ』みたいな師匠の呟きを聞いたバヤシが『こいつハンマーカンマー言うとるやないかい!』って言ったんです(笑)。

 それから数年後、ピンになって古畑任三郎のものまねをしようとしたとき、悩む感じを出そうとして、『ハンマーカンマー』を思い出したんです。『R-1ぐらんぷり2016』のファイナルでは、いちばん最後にこのネタを持ってきました。『古畑任三郎』のフリップを出したら歓声が上がった。このとき、優勝を確信しました」

●人物その9 佐山サトル
「初代タイガーマスク・佐山サトルさんのタイガーステップなんて、いま誰も知らないじゃないですか。両腕を回しながら、縦横無尽にリングをステップする、独特のね。最近の若い人は、タイガーステップっていったら俺のものだと思ってるんですよ。『R-1』のあとは『水曜日のダウンタウン』(TBS系)に呼ばれることが増えたんですが、中学生の前で披露したタイガーステップ、評判よかったんですよ。佐山さんの本家タイガーステップも再評価されてほしいですね」

 8月7日、8日には2年ぶりの単独ライブを控える。

「去年はコロナでライブは中止になりましたが、やっぱりライブをやらないと、新ネタが生まれないんですよ。今回はお客さんも会場の半分しか入れられないから、初日はライブ、2日めはライブ+配信と内容を分けてやることにしたんです。披露するのは、すべて新ネタ。“誇張ものまね” は碇ゲンドウから、ランジャタイ、ティモンディ、おいでやす小田、熊田曜子さんとかいろいろ考えてますんで」

 40代にして狂い咲く、まさに中年の星。ええやん、ええやん!

ハリウッドザコシショウ
1974年生まれ 静岡県出身 大阪NSC11期生。吉本興業、ワタナベエンターテインメント、ソニー・ミュージックアーティスツと事務所を渡り歩き、2016年『R-1ぐらんぷり 2016』優勝で一気にブレイク。“誇張しすぎたものまね” シリーズのレパートリーは2兆個

(週刊FLASH 2021年8月10日号)

【ハリウッドザコシショウのミニ単独ライブシリーズSEASON(12)】
☆配信視聴チケット
・配信公演
2021年8月8日(日)16時30分開場/17時00分開演
・配信視聴チケット料金
2500円(税込)
・アーカイブ配信期間
ライブ配信終了後〜2021年8月15日(日)23時59分
・配信視聴チケット発売日
好評発売中!
・配信視聴チケット販売先URLアドレス
https://eplus.jp/zakoshisyoh-s/
・配信視聴チケット販売期限
2021年8月15日(日)22時00分まで
・配信チケットお問い合わせ
https://eplus.jp/streamingplus-userguide/

☆グッズ購入
・グッズ購入期間
好評発売中!
・グッズ購入先URLアドレス
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