新型コロナウイルスの影響でオンラインショッピングの需要が爆増しており、2020年3月にはAmazonが商品の出荷作業を行う倉庫作業員を新しく10万人雇用すると発表しました。しかし、Amazonの倉庫作業員からは新型コロナウイルス対策への不満の声も挙がっており、倉庫作業員を確保することは情勢的にもコスト的にも大きな問題となります。そんなオンラインショッピングの商品出荷を担当する倉庫作業員の代わりになるロボットアームを開発する企業が「RightHand Robotics」です。

RightHand Robotics

https://www.righthandrobotics.com/?lang=ja

RightHand Roboticsがどんな会社なのかは以下のムービーを見れば一発でわかります。

RightHand Robotics ピースピッキング・ソリューション - YouTube

ロボットはすでに多くの産業で活用されていますが、インターネット通販などの電子商取引に関する商品の取り扱いにロボットを使用することは技術的に不可能でした。しかし、新型コロナウイルスのパンデミックの影響でAmazonでは家庭用品の在庫切れが相次ぐなど利用者が増加したように、オンラインショッピングの需要はますます増加しています。



実際、オンラインショッピングの年間売上高は20%も伸びており、現場で働く労働力は減少しているという問題があります。



ロボットでは行うことが難しかった作業というのは、オンラインショッピングで購入された商品を発送するために行われる「商品を掴んで置く」という非常に単純かつ反復的な作業です。典型的な倉庫などでは、この「商品を掴んで置く」という作業が商品の出荷までに10回も行われるとのこと。



そこにビジネスチャンスを見出したのがRightHand Roboticsです。しかし、「商品を掴んで置く」という単純な作業であったとしても、オンライン上で購入できる商品の種類は何百万もあり、どんな商品が出荷待ちになるかはわからないため、「商品を掴んで置く」という作業を人の代わりにロボットにさせるとなると、ロボットは「これまでに一度も見たことのない商品」も含め、掴むことができる必要があります。



つまり、RightHand Roboticsは「高効率(Rate)・高信頼性(Reliability)、膨大な範囲(Range)の商品(3Rs)を掴むことができる」知能と技術を備えたロボットを開発する必要がありました。



RightHand Roboticsではロボット工学者、コンピュータービジョンや機械学習の専門家、ソフトウェア開発者、ハードウェア設計者、実際の出荷作業が行われる倉庫作業のスペシャリストといったメンバーで構成されたチームを結成し……



3Dコンピュータービジョンとスマートグリッパー、ソフトウェアを統合した端末「RightPick」を開発しました。



実際にRightPickに商品の仕分けを行わせるとします。まず最初にRightPickは在庫商品を視覚装置で認識し、深度情報を加えた色彩画像を出力。



これが実際に作成された深度情報を含む画像。



この画像を独自の分割アルゴリズムで解析し、RightPickが掴むべき商品を選択します。



商品を掴むためのスマートグリッパーは特許取得済み。グリッパーの先端には吸引機構があり、これを用いることで狭い隙間から小さな商品をピンポイントで取り出すことが可能となります。



実際にどんな風にピックアップするのかというと、こんな感じ。空気を吸引する力で小さな商品を「吸い上げる」ようです。



吸い上げた商品はグリッパーの指パーツが優しくホールドしてくれるので、さまざまな形状の商品を優しく安全に掴み、落としません。





そして画像認識機能が「RightPickは商品を正確に掴み、置けているか」を確認。RightPickはクラウド接続されているので、「商品を掴んで置く」という作業はすべて自動的にデータ化され、心臓学習ニューラルネットワークに送信されます。そしてこのデータに基づきRightPickはパフォーマンスを徐々に改善していくことが可能です。



なお、すでにRightPickは世界中の出荷作業が行われている倉庫で活躍中とのこと。



複数台のRightPickを導入することで人件費を大幅にカットすることが可能となります。



RightHand RoboticsはすでにRightPickの次世代モデルとなる「RightPick2」も発表しています。

RightPick2: The Robotic Piece-Picking Solution for Intralogistics - YouTube

これがRightPick2。見た目に大きな変化はありません。



特徴的なスマートグリップや……



商品を掴む前に吸い込む吸盤状のパーツも健在です。



画像認識に使用されるカメラ。



モニター部分には「RightPick2」の文字。



当然ですがRightPick2は「高効率・高信頼性、膨大な範囲の商品を掴む」ことができます。



スマートグリッパー部分の名称は「RHR GripperV5」



アーム部分はUniversal Robotsのe-Seriesを採用。



カメラはIntel製の深度カメラであるIntel RealSense D415



商品把持の動作を司るソフトウェア部分は、第2世代「RightPick.AI」が担います。



RightPick2は商品の仕分けや……



壁への配置



自動梱包



他ロボットへの商品の受け渡し



キッティングなどが可能です。