ロボット掃除機のように自律的な移動が可能で、ボディに取り付けられた自由に動かせるアームを使って物体の持ち運びができるモバイルマニピュレーター「Stretch」の販売が始まりました。

Product - Hello Robot

https://hello-robot.com/product

Ex-Googler's Startup Comes Out of Stealth With Beautifully Simple, Clever Robot Design - IEEE Spectrum

https://spectrum.ieee.org/automaton/robotics/home-robots/hello-robots-stretch-mobile-manipulator

Stretchを開発したのは、Googleのロボティクス部門のディレクターを務めていたアーロン・エドシンガー氏と、ジョージア工科大学のチャーリー・ケンプ教授が率いるスタートアップのHello Robot。エドシンガー氏とケンプ教授はiRobotやリシンク・ロボティクスを設立したことで知られるロドニー・ブルックス博士のグループに所属していたことでも知られています。

Stretchは、車輪付きの台座から伸びた支柱にアームが取り付けられたロボットです。



ロボットアームは最大52cm伸ばせるだけでなく……





高さを調節することも可能。高低の調整可能範囲は109cmとのこと。





アームの持ち手部分はこんな感じ。持ち上げられる最大重量は1.5kgとなっています。



台座部分はお掃除ロボットのよう。総重量は約23kgで、フットプリントは34cm×34cmです。



支柱上部には3Dカメラ「Intel RealSense D435i」やレーザー距離計、音声認識用のマイクが搭載されており、周囲の状況やロボットアームでつかむ対象などの形状を認識することができます。3Dカメラなどで取得された情報は、AIによって処理されるとのこと。





このStretchがどのような動作を行えるのかは、以下のムービーを見ると理解できます。

Stretch RE1 Home Teleoperation - YouTube

ムービー冒頭で登場したのは、Stretchと一匹の犬。Stretchは犬が届かない位置にボールを掲げています。



Stretchはアームをグイーンと伸ばし……



高さを調節して、犬が届く位置に。犬は尻尾を振って大喜び。



StretchはUFOキャッチャーのようにアームでフィギュアをつかんで、収納ボックスに片付けることもできます。





洗濯機から洗濯物を取り出すことも可能です。洗濯機の扉をアームで開けて……





開口部の正面に移動。



ロボットアームで洗濯物を取り出しました。



机の拭き掃除や……



掃除機がけなども可能です。



Stretchの特徴の1つは、「自動化」機能です。Stretchは3Dカメラで自動的にマッピングを行って、周囲の物体に最適化された行動を取ることが可能。Stretchがどのような自動化を行えるのかは、以下のムービーを見るとわかります。

Stretch RE1 Autonomy Demo Compilation - YouTube

Stretchのコードはオープンソースとなっており、Github上で公開されている情報を元に自分でカスタマイズすることも可能。本体には部品を取り付けるスペースやネジ穴、USBポートが用意されており、ハードウェアの拡張もできます。



Stretchはすでに購入可能ですが、ソフトウェアなどがまだ初期段階であることから、発売時点では開発者向けと位置づけられています。Stretchの展望について、エドシンガー氏は「私たちは社会に役立つロボットを開発することで、社会に影響を与えられればと考えています。主に家庭で使われることを想定していますが、医療機関などでの活用も視野に入れており、個人的には、高齢者や介護者に役立つことを望んでいます。特注の介護用ロボットを作るのではなく、誰にでも買える程度に安価なロボットが実行できる機能の1つに介護機能があればと思っています」とコメントしました。

Stretchの価格は1万7950ドル(約192万円)。この価格について、エンジニアリングや応用化学の専門誌であるIEEE Spectrumは、「『PR2』以降、サイズ面とコスト面を両立したモバイルマニピュレーターはありませんでした。PR2の40万ドル(約4300万円)という価格と2010年という発売日を考えると、Stretchは高機能かつ低価格です」とコメントしています。