柔道男子90キロ級の東京五輪代表に内定している向翔一郎(24)が、YouTubeで喫煙シーンや特定の人物を中傷するような動画を掲載していたことが「週刊文春」の取材で分かった。

【画像】向選手のYouTubeにアップされた「暴言」動画

 向は昨年の世界選手権で銀メダルを獲得するなどして代表入りを果たす。キックボクシングの要素も取り入れるなど独自の柔道スタイルを築き上げ、「東京五輪でも金メダル候補」(スポーツ紙記者)と目されている。


名門道場「講道学舎」出身の向選手 ©共同通信社

 向は今年5月、東京五輪柔道60キロ級代表の高藤直寿(27)のYouTubeチャンネルで、高藤と対談。

 その中で向は、YouTubeでの活動について「バックに全日本柔道連盟と(所属先の)ALSOKがいる。めっちゃ重たいんよ」とこぼす。高藤が「チャンネル登録者数100万人目指すために(所属を)辞める?」と問うと、「ALSOKやめられない理由が、(中略)家賃手当があるから……家賃手当大きい(笑)」などと語った。さらに向は対談中に電子タバコも吸っていた。

 この動画を問題視した元バルセロナ五輪柔道男子代表・丸山顕志氏(54)は、自身のFacebookに、「電子タバコを吸いながら現役柔道家が、それも東京五輪内定選手としてYouTubeで全世界に配信をしているではないか!(中略)もし我が息子だったら猛省させケジメとして確実に東京五輪は辞退させる」と書き込んだ。

 この後、高藤は動画から喫煙シーンをカットして再掲載した。

 一方、向は自身のYouTubeチャンネルに、「f××k ○ MOUNTAIN」と題したラップの動画をアップ。歌詞は「おいカス お前引きずり回すラップ」「アンチの先頭 子が笑われる 親の在り方 今 問われる」「五輪出場 値しないとか アラばかり探してても無駄」といった内容だった。

 丸山氏は「○ MOUNTAIN」というタイトルが“丸山”を指していることに気づき、向と電話で直接会話。謝罪の言葉はなく、「柔道を普及させるためにやっていることに対して、誹謗中傷をやられたので、面白くありませんでした」と言われたという。

 動画の真意を聞くべく、向の携帯に電話をすると、「ALSOKを通してください」と返答。

 ALSOKは「動画について弊社は全く関与していないため、公開理由等は把握しておりません。所属選手に対して、それぞれの立場に相応しい品位ある行動をするよう指導しております」と回答した。

 高藤の所属先企業は高藤の動画について、「未成年者の喫煙を助長する恐れがあることから、喫煙シーンは映らないようにしております。本動画については編集漏れがあったため、該当シーンを削除する編集を行いました」と回答。

 全日本柔道連盟は向の動画に関して、「当連盟は公開に関与しておらず、公開の理由も把握しておりません。SNSの具体的な運用に関しては慎重を期すよう指導しています」と答えた。

 小誌取材後の6月16日、向はラップ動画を非公開にした。

 6月18日(木)発売の「週刊文春」では、“柔道界の異端児”と呼ばれる向の言動や、丸山氏の怒りの声、丸山氏の息子で柔道日本代表候補の丸山城志郎と向の意外な関係性などについて詳報する。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年6月25日号)