2019年5月7日、ニューヨークで新しくオープンしたAmazon Goストア(写真:AP/アフロ)

 米CNBCによると、米アマゾン・ドット・コムはレジ精算のないコンビニエンスストア「Amazon Go」の決済システムを他社に売り込もうとしているという。

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映画館チェーンなどと交渉中

 空港内でサンドイッチやサラダなどを販売している「CIBO Express」の運営会社である米OTGや映画館チェーン「リーガル・シネマズ」を傘下に持つ英シネワールド・グループに提案しているとCNBCは伝えている。アマゾンは野球場の売店にもこのシステムを提供したい考えだという。

 これにより同社は新たなビジネスモデルを模索している。決済システムを他社店舗に導入する費用として、商品の販売額から一定の比率の手数料を受け取る、あるいは初期費用と月額料金を徴収するといった料金モデルを考えている。

 来年(2020年)1〜3月中にも顧客店舗への装置の設置を開始し、年末までに数百の店舗でシステムを稼働させたい考えだと事情に詳しい関係者は話している。

 Amazon Goでは、顧客がスマートフォンに入れた専用アプリでQRコードを表示し、それを駅の改札口のようなチェックインレーンにかざして店に入る。買いたいものを棚から取り、店から出ると、クレジットカード情報が登録されたアマゾンアカウントで自動精算される。

 これを実現するため、店の天井と商品棚にカメラやセンサーを数百基設置している。これらの機器で捉えた顧客や商品の動きを、コンピュータービジョンやディープラーニング・アルゴリズム、センサーフュージョンなどの技術で把握する。

アマゾンに新たな収益源がもたらされる

 関係者によると、アマゾンは2週間ほどでこれらの装置を顧客店舗に設置できると見込んでいる。ただ、各装置にアマゾンのロゴが表示されるかどうかは分からない。買い物をするためにアマゾンの既存アプリを使うのか、店舗の専用アプリを使うのかといったことも今のところ分かっていないという。

 いずれにしてもこのビジネスによって、アマゾンには新たな収益源がもたらされることになる。また、同社はネット販売への依存を減らしながら、小売市場における存在感を高めることができると、CNBCは報じている。

アマゾンの実店舗展開

 アマゾンは2015年に同社初の実店舗書店「Amazon Books」を米国でオープンした。

 2017年には高級スーパーマーケットチェーン「ホールフーズ・マーケット(Whole Foods Market)」を買収。2018年にはアマゾンのサイトで顧客の評価が「星」4つ以上になったものだけを販売する新業態の「Amazon 4-star」を開設した。

 (参考・関連記事)「アマゾン、NYに新業態の実店舗をオープン」

 そして、2018年1月にAmazon Goの1号店をワシントン州シアトルの本社屋で正式オープン。この店舗は現在、米国で16店舗展開しているが、まもなくシカゴで新たな2店舗が営業を始める。

 ロイターは昨年12月、アマゾンがAmazon Goの空港展開を計画していると伝えた。同社は長期的な出店計画を明らかにしていないが、米ブルームバーグは昨年、同業態の店舗を2021年までに3000店に拡大する計画だと伝えた。

 (参考・関連記事)「アマゾン、手のひら認証のレジ決済システムを開発中」

筆者:小久保 重信