まさに現代っ子らしくメールで想いを伝えたラビオだったが……。当面はフランス代表からお呼びがかからないだろう。(C)Getty Images

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 ロシア・ワールドカップに向けたフランス代表キャンプが5月23日、本拠地クレールフォンテーヌ(パリ西南郊外)でスタートしたが、これがまたしても波乱の幕開けとなった。
 
 その張本人は、最終登録メンバーの23名に入れず、予備登録の補欠組に回った11名のひとり、アドリアン・ラビオだ。パリ・サンジェルマンのMFが決定を不服とし、なんとディディエ・デシャン監督に拒否メールを送りつけたのである。23日に行なわれた記者会見では、報道陣からこの話題に関する質問が殺到した。

 
 当初の報道は、「ラビオがフランス・フットボール連盟に手紙を送り、補欠組での待機を拒否した」というものだった。だがデシャン監督はこの日の会見で、「実はラビオは、私のメールアドレスに断りの連絡をしてきたんだ。すぐに電話やSMSを入れたが彼からの反応はなかった。で、私から連盟に報告したんだ」と明かした。
 
 フランスでは過去にもニコラ・アネルカが、同様の振る舞いを見せた。怪我人が出たことによる代表招集を不満として拒否、当時のジャック・サンティニ監督に「ひざまずいて謝れ」と言い放った事件だ。しかしながら今回のラビオはまだ実績も乏しい23歳。フットボールファンも「そこまで天狗になっていたか!」「自分が1番と思っていたんだ」と唖然呆然だ。
 
 ジネディーヌ・ジダンらにも慕われていた元代表スタッフのアンリ・エミールも、「アネルカもそうだったが、こういうことをする選手は、チームの上に自分を置いてしまっている。だがチームこそがもっとも上なのだよ」と嘆いた。
 
 さて、記者会見場のデシャン監督はと言えば、苦笑しながらも、「メールを見つけたときは驚いたよ。(リスト落ちの)大きな失望は理解できるが、だからと言ってここまでの態度を取るとはね。とんでもなく大きなミスをしたのは間違いない。これを機に成熟してくれることを祈るばかりだし、自分で責任を取るしかないだろう」とピシャリ。これでラビオは、しばらく代表とは“おさらば”になる。
 ラビオの離脱で補欠組は10人になってしまったが、彼らにはまだ本大会出場の可能性は消えていない。6月4日の登録期限までは入れ替えが許可されているからだ。
 
 フランス代表は4年前のブラジル大会前も、バロンドールを逃したばかりのフランク・リベリが腰痛で出場を断念するという「波乱の幕開け」を経験した。それでも颯爽と準々決勝進出を決めたものだが──。今回の結末やいかに!?
 
 ちなみにそのリベリは23日の夕方、自身のツイッターを更新。「オーー、クソーーー、俺はイビザ(スペインのリゾート地)だ。電話をもらったばかり。補欠組が1席残ってるんだって? おーい、ディディエ、ここにいるぞーーー」と綴っている。
 
 これにはフットボールファンの誰もが大ウケだ。
 
取材・文●結城麻里