港区女子。

彼女たちが、得体の知れない存在であることは、東カレ読者であれば気づいている。

華やかで、顔が広く、有名人とのコネクションも豊富。夜な夜な西麻布界隈に繰り出し、そこまで稼げる仕事をしているようには見えないが、なぜか煌びやかな生活を送っている印象が強い。

遊び場同様、住まいも港区。麻布、六本木、広尾、白金、そして芝。とても年収500万円で住めるようなエリアではない。

ベールに包まれたその生態を解明すると共に、彼女たちは“なぜ港区女子になった”のか、その原点を紹介する。

前回は、彼氏の力で港区カースト制度をのし上がっていった元・売れないグラビアアイドルの美希を紹介した。

今週は?




<今週の港区女子>

名前:春香
年齢:35歳
職業:メーカー事務職
年収:約500万円
出身:茨城県
現在の住まい:シンガポール


大見得を切らなければいけない東京だから


春香は茨城県出身で、大学入学と同時に上京。地元では美人で有名だったが、東京に出てきて可愛い子の多さに衝撃を受けたと言う。

「そして驚いたのは、学生なのにエルメスのケリーやバーキンを持っている子がいたこと。それまでずっと自分が一番だったのに、急に劣等生になった気がして、焦りましたね。」

そんな春香だが、持ち前のスタイルを活かして20歳になる頃にはすっかり“スーパー女子大生”になっていた。読者モデルをし、付き合う男性は経営者。誕生日やクリスマスなどのイベント毎に増えて行くシャネルの鞄の数を数えては、自分のレベルが上がっていることを確認していた。

しかしそんなある日、読者モデル仲間から言われた一言に衝撃を受ける。

「春香ちゃんって、言い方悪いけど...ごく一般的なご家庭の出身だよね?だからかな。何か私たちと釣り合ってないよね。」


お金では買えない育ち...それに対する春香の戦略、港区女子の怖さはここにあり


自分のコンプレックスを揉み消してくれる港区という響き


その一言をキッカケに、春香は港区で生きると決意したという。

「確かに、父はメーカー勤務で、母は専業主婦という一般的な家庭で育ちました。育った場所は変えられない。でも、大人になって住む場所は自分で選べる。だから、ワンランク上の響きがする港区に、どうしても住みたかったんです。」

周囲の、本当に実家が裕福な子たちは学生なのに良い家に住み、生活も派手だった。

「両親に感謝はしていますが、私の対戦相手は東京に住む生粋のお嬢様たち。私にはそんなバックグラウンドはなくて、でも、どうしても皆と同じランクに属したくて。だから、男性の力をちょっと借りたんです。」

しかし一度でも、誰かに家賃を払ってもらうと自分で払えなくなる。この時の春香はそのことに気がついていなかった。

また、春香は実家のことを話す際に、“父は経営者で”と話すようになった。家が裕福で育ちが良いというキャラ設定にするために、当時彼氏に払ってもらっていたマンションも“親に払ってもらっている”と言い始めた。




初任給20万円では生きて行けない港区女子


港区女子は、仮に彼氏や誰かに家賃を払ってもらっていても絶対に口を割らない。何故か、自分で払っていると主張したがる。レストランも同様だ。中々普通の人が行けないような店に行っても、あくまでも自分で行ったと言い張る傾向がある。

「純粋に、育ちが良くて自分で稼げる女性はすごいなと思います。でも、上手く世の中を渡っていくことも人生に必要なスキルの一つじゃないですか?」

大学を卒業し、貿易系会社の事務職に就いたがすぐに辞めた。

「初任給が20万円ですよ?ビックリですよね〜。そんな額では、暮らして行けないと思って(笑)」

24歳で芝浦アイランドのタワーマンションに住み、彼氏のカードで好きな物を好きなように買える生活。その生活に慣れてしまい、自分で働いたところで稼げる額の少なさに驚いたそうだ。

当時付き合っていた彼氏は25歳年上の経営者。
そして既婚者だった。


いつかバレるのが嘘というもの。育ちのコンプレックスが生んだ悲劇とは?


化けの皮はいつか剥がれるもの


育ちの良いお嬢様キャラで売り出した春香だったが、お金にがめつく、あまりにも見境ない行動に周りの人は徐々に引いて行った。

「春香ちゃん?あ〜あの毎回タクシー代せびってきて、ご飯に連れて行ったら一番高いワインから頼む子ね。」

そんな噂が港区で広まっていった。それでも春香は親が裕福だと言い張り続け、周りから白い目で見られることになる。本当に育ちが良い人からは見受けられない、異常なまでのお金への執着心と権力者への媚の売り方は有名だった。

最後は、彼氏に愛想を尽かされ破局。途端に春香の生活は厳しくなった。しかし、港区から出るのは春香にとって都落ちだ。

まともに職にも就かず、努力もしてこなかった春香は港区では生きられなくなった。そこで彼女が選んだ港区の代案は、シンガポールだった。




市場価値が急落した港区女子の行方


実は彼女は、シンガポール大逆転第1話の春香と同一人物である。

東京で市場価値が落ち、誰からも相手にされなくなった彼女はシンガポールへ渡った。しかしそこでも上手く結婚できず(シンガポールでの婚活は失敗に終わり)、現在は香港にいる。

一度体験してしまった良い生活が忘れられず、男性をお金で判断していることが周囲には見え見えだ。しかし本人は、哀れな目で見られていることに未だ気がついておらず、シンガポールでも香港でも言っているのは同じセリフだ。

「父親は経営者で、全部生活の面倒を見てくれていて。だから、東京で働いてなかったの。今は良い社会勉強って感じかな。」

自分で稼ぐ能力もなければ技術もない春香は、現在も頼れる誰かを探し求め、彷徨い続けている。

自分の体裁を保つことに必死な春香。

育ちのコンプレックスは意外に根深かった。

次週11月18日金曜日更新
港区女子と呼ばないで。自力で稼いでいる女子は港区女子とはまた別カテゴリー?

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vol.1:彼氏のランクで引き上げられる、女の価値と港区カースト