学生の窓口編集部

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誰もが知る外来語は当然表記が統一されているものと思いきや、よく見ると、媒体や人によって書き方が違っていることがあります。たとえば「コンピュータ」と「コンピューター」、「メイン」と「メーン」など。微妙な違いではありますが、気になるという人は少なくないのでは?

結論からいえば、どちらの表記も間違いではありません。しかし、それぞれの表記の背景には、それ相応のしかるべき理由があったのです。

●コンピュータとコンピューターの違い

一般的に、NHKをはじめとしたマスコミでは「コンピューター」と表記しています。これは、外来語の表記について昭和29年に国語審議会から、「原語(特に英語)のつづりの終わりの-er、-or、-arなどをかな書きにする場合には、長音記号『-』を用いる」と発表されたことからきています。

一方、専門の雑誌等で見かけるのが「コンピュータ」という表記です。これは電気関係など一部の専門分野で以前から使用されていた専門表記で、後に文部科学省の『学術用語集』にも「コンピュータ」と記載されるようになったという背景があります。学問や技術関係の出版物に「コンピュータ」と表記されているのはこのためです。

●メーンとメインの違い

主要な、という意味の「main」には、「メーン」と「メイン」の2つの表記を見かけます。まずは「メーン」ですが、これについては国語審議会の「外来語表記の基準」(昭和29年3月報告)に、「メーンエベント」「メーンスタジアム」という事例があります。

また、日本新聞協会の『新聞用語集』にも「main」の記載を「メーン」としています。こうした背景から、日常会話では「メイン」でも、マスコミ等での表記には「メーン」が目立ちます。

ただし、一般的に使用されている現状をふまえ、国語審議会では平成3年の告示で「メーン」の事例を外しています。日本新聞協会においても、平成25年に「メーン」を「メイン」に(次期改訂版において)する旨を発表しています。

ということで、今後は「メイン」という表記が主流になると予測されます。

●ダイアルとダイヤルの違い

国語審議会での告示によれば、「イ列・エ列の音の次のアの音に当たるものは、原則として「ア」と書く」ことになっています。ということは、「dial」は「ダイアル」と表記しなければなりません。

しかし、同告示には「「ヤ」と書く慣用のある場合は、それによる」という特例があります。つまり、「ダイヤル」のほうが正しい表記ということになります。他に、タイヤ、ダイヤモンド、ベニヤ板等が同様の理由で「ア」ではなく「ヤ」と表記されます。

ほかにも、「ストップウオッチ」と「ストップウォッチ」の違いなど、よーく見てみると、巷には曖昧な外来語表記がもりだくさん。ちなみに、「stopwatch」の表記はどちらでもいいと国も認めています。なんて大ざっぱな、と思いきや・・・そもそも、よその国の言語を誰もがすんなり読めて書ける自国語にサラッと変換できるってすごいことですよね!

文・鈴木ゆかり

※参考

文部科学省http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t19910207001/t19910207001.html『NHKことばのハンドブック第2版』(NHK放送文化研究所編)