ここ数年苦しいシーズンが続く松中信彦は、背水の覚悟で挑む2015年に輝きを取り戻せるか[Getty Images]

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 試合終盤、ここぞの場面で登場し、1打席にすべてをかけて戦う男たちがいる。レギュラーを張ることはなくても、秀でた打撃技術と集中力でチームを救い、重宝される存在。それが“代打の神様”と呼ばれる男たちだ。

 先駆け的存在と言えば通算代打本塁打27本の世界記録保持者である元阪急の高井保弘であり、元阪神の八木裕が有名なところ。近年では元広島の前田智徳や、元阪神の桧山進次郎らが挙げられる。彼らのような長年の経験と熟練の技術で試合の空気を一変させることができる存在はチームにとって大きな武器になる。

 もちろん、はじめから代打一本でその道を突き進むという選手はほとんどいないだろう。誰もがこれからはじまるキャンプで横一線の競争に挑み、レギュラー奪取を狙っていることは間違いないのだが、ここでは敢えて今シーズン『“代打の神様”候補』として期待したい選手を取り上げていく。

● 新“代打の神様”候補たち

・福浦和也(ロッテ)

昨季成績:43試 率.283 本0 点15

→ 昨季は代打率.474という驚異的な数字をマーク。ロッテ一筋22年目のこの男が最有力か。

小笠原道大(中日)

昨季成績:81試 率.301 本1 点18

→ 昨年中日へFA移籍を行い、代打で6打数連続安打、9打席連続出塁といった華々しい記録も打ち立てた。

・金城龍彦(巨人)

昨季成績:90試 率.200 本0 点11

→ 勝負強い打撃を買われ、巨人へ移籍。代打だけでなく、外野のバックアッパーとしての期待もかかる。

新井貴浩(広島)

昨季成績:94試 率.244 本3 点31

→ 自ら自由契約となる選択をし、古巣・広島に復帰。阪神時代の10分の1、年俸2000万円からの再起に賭ける。

多村仁志(DeNA)

昨季成績:73試 率.272 本4 点23

・後藤武敏(DeNA)

昨季成績:68試 率.283 本7 点31

→ 昨季も多くない出番の中で活躍を見せた“横浜高校コンビ”が、かつての広島の浅井樹、町田公二郎のコンビのような、2人揃っての“代打の神様”襲名に期待。

松中信彦(ソフトバンク)

昨季成績:33試 率.111 本0 点4

→ かつての三冠王も、ここ数年は満足な結果を残せないシーズンが続く。背水のシーズンで輝きを取り戻すことができるか。

・谷佳知(オリックス)

昨季成績:9試 率.125 本0 点0

→ 古巣復帰で2000本安打の達成が期待された14年は、わずか2安打に終わった。

◆ ちなみに…2014年・代打率ベスト10

(※代打で15打席以上を対象)

1位 吉村裕基(ソフトバンク)

・代打率 .500

→代打成績:18打数9安打 / 本塁打1 打点10

2位 福浦和也(ロッテ)

・代打率 .474

→代打成績:19打数9安打 / 打点7

3位 木村昇吾(広島)

・代打率 .429

→代打成績:(15打席)14打数6安打 / 本塁打1 打点1

4位 西岡剛(阪神)

・代打率 .417

→代打成績:(17打席)12打数5安打 / 打点3

5位 鈴木誠也(広島)

・代打率 .409

→代打成績: 22打数9安打 / 打点4

6位 森友哉(西武)

・代打率 .400

→代打成績:15打数6安打 / 本塁打3 打点5

7位 坂克彦(阪神)

・代打率 .400

→代打成績:15打数6安打 / 打点3

8位 小窪哲也(広島)

・代打率 .389

→代打成績:36打数14安打 / 本塁打1 打点15

9位 堂林翔太(広島)

・代打率 .389

→代打成績:18打数7安打 / 本塁打1 打点2

10位 後藤武敏(DeNA)

・代打率 .379

→代打成績:29打数11安打 / 本塁打1 打点9