2014夏発表会はドコモ一人勝ちにみえるだけ?土俵から降りたau、SBMがもたらすデメリット
●キャリア間の競争、対決が薄れている?
まず、ソフトバンクモバイルだが、スマートフォン普及も半数を超え、iPhoneのシェアもトップシェアで安定,Android端末の完成度もあがり機種間での差別化もしにくくなった。こうした状況から、発表会を開催する必然性が薄くなったことを理由に今回の開催を見送っている。
たしかに、一理ある見解だ。しかし、こうした見解の裏に、北米進出を図っている現在のソフトバンクモバイルにとっては、シェアに大きな変動と大きな収益向上の可能性見込めなくなった国内市場より、北米市場の対策が優先したいという事情が見え隠れしている。
次に、auはプリペイド決済が可能なauウォレットと、LTEのデュアルバンドが利用できるCAとWiMAX 2+対応の端末を掲げた。一見、独自の新しいサービスで市場や他社に挑戦しているように見える。しかし、CAはLTE-Advanceの規格であり、他社が対応するのも時間の問題と見られているサービスだ。また、auウォレットもプリペイド決済というセキュアと利用者を制限しないメリットはあるが、関連事業を利用して、既存顧客からの収益を増やす対策に他ならない。
最後にNTTドコモだ。3キャリア中最多の新規端末、VoLTEと音声定額プラン提供、周辺機器ブランドの立ち上げ、dストアサービス部門の強化など、多数の強化策を発表している。しかし、こちらも、音声定額は減少を続ける既存の音声通話収益を回復させる対策だ。通話利用の多い利用者にはメリットもあるが、通話利用が少ない利用者からも定額料金が回収するプランでもある。また周辺機器ブランド、dストアサービス強化も、新規利用者というより既存利用者からの収益を増やす施策である。
こうして今回の3社の発表をみると、端末競争からサービス競争時代への移行を背景に、他社との競争という図式から自社の収益を強化するといった対策が色濃くなっている。
●競争なき市場が、利用者メリットに繋がるのか?
ターゲット層が重複するような多機種の提供、MNPによる各社の契約数の純増シェア争いで、キャッシュバックやキャンペーンなど、不健全とも見える競争が展開されてきたことに比べれば、自社のサービスや収益を改善する方向に向かっていることは、携帯電話市場の健全化には良い方向だと言える。
しかし、他社との競争ではなく、自社の顧客からの収益増を中心とした今回の各社の対策には、利用者の支出を増やさせる方向性だけが色濃くなっているのではないだろうか。
もちろん、今回の新サービスを利用することで、一部の利用者の支出が抑えられたり、例え支出が増えたりとしても、利用者が満足できるのであれば企業と利用者にとって素晴らしい改善であることは言うまでもない。
今回の新サービスや新製品が、利用者の利益、満足度の向上に繋がることを祈りたい。

