Vol.1 ― キム・ユジョン 「ヨニは自分一人で考えてずっと続けられたのです」
いつからか“子役”という呼び方を使うのが恥ずかしくなった。年齢を除けばキャリアも実力も普通の大人の俳優をぐんと越える、この若き俳優たちの生き生きとした演技をスクリーンとテレビで観るのは、楽しいだけではなく時には衝撃をうける。MBC「トンイ」でトンイ(ハン・ヒョジュ)の子役としてドラマ前半で視線を集め、KBS「九尾狐伝 〜愛と哀しみの母〜」(以下「九尾狐」)では、悲劇的な恋愛の主人公で恨みを抱いた弱い者の物寂しさを見せてくれて、MBC「欲望の炎」では毒々しいだけでなく、あくどいナヨン(シン・ウンギョン)とヘジン(ソウ)の子役として、非凡な一人二役を演じたキム・ユジョン。彼女はそういう面で2010年、最も印象的な俳優のうちの一人だ。1999年に生まれ、5歳の時に母と手をつないでカメラの前に初めて立ってから、13本のドラマと15本の映画に出演したキム・ユジョンは、まだ小学校5年生だ。しかし、「九尾狐」の恐怖の底に敷かれた悲しみを読み取り、ナヨンとヘジンのキャラクターの微妙な違いを本能的に分かったこの“小学生”に“子役界のキム・ガプス”というニックネームが付いたのはただ冗談のではないだろう。
キム・ユジョン:退屈です。撮影が続いて忙しい方が面白いです。だけど、忙しすぎる時は休みたくなったりもします。眠りたい時とか。
―撮影がなくて時間がある時は、主に何をしていますか?
キム・ユジョン:友達と遊んだり、家でテレビを観たりしています。
「『トキメキ☆成均館スキャンダル』のように男装女子の演技もやってみたいです」
―どんな番組が好きですか?キム・ユジョン:ほとんど、どの番組も好きです。ドラマも欠かさず観ています。もう終わったんですけど、KBS「トキメキ☆成均館スキャンダル」も面白かったし、SBS「ATHENA -アテナ-」とKBS「メリは外泊中」も面白かったです。「トキメキ☆成均館スキャンダル」を観る時は、パク・ミニョン姉さんのように、男装女子の役を演じてみたいと思いました。
―あのドラマに出てくる男性俳優の中で誰が一番カッコよかったですか?
キム・ユジョン:ソン・ジュンギです。ふふっ。同じ事務所ですけど、まだ実際に会ったことはありません。この前、何かのイベントの時に会えるはずだったんですけど、「トキメキ☆成均館スキャンダル」の撮影で来られませんでした。でも「KBS演技大賞」の時に会えそうです!
―会ったら何と言いますか?
キム・ユジョン:「ファンです」と(笑)
―今年は出演作品がちょっと多かったですよね。一番思い出すものはなんですか?
キム・ユジョン:うーん……「トンイ」と「九尾狐」を撮る時が一番大変だったんですけど「トンイ」の方がちょっと大変でした。いっぱい走って、寒い時、冬の雪と雨の日に韓服を着て撮影して(笑) 韓服の中にTシャツも着てわらじの中に安眠ソックスと上履きを履いて、ビニールを被せて、その上にポソン(韓国固有の足袋)や、わらじを履いて……キョンジュ、タムヤン、タンヤン全部行ったと思います。
―「九尾狐」には変身したり、取り憑いたりするなど、ちょっと怖い場面もありましたが、そんなシーンを撮る時はどうでしたか?
キム・ユジョン:それは画面に編集して怖く演出されていることで、撮る時は怖くありません。時代劇はセットが暗いですから、夜に撮影するとゾッとしますけど、正直「九尾狐」はあまり怖くありませんでした。切ない話ですけど、友達はみんな怖いと言っていました。ハン・ウンジョンさんが尻尾も3つしかつけていなかったし、スカートの後ろに尻尾を付けたのがすぐ分かるのにそれも知らずに怖すぎると。さらにはカラスも怖いと言うんです!(笑) でも、本当に怖いのはヨンイン民族村で夕方に撮影する時なんです。街灯が全然ないんです。売店が全部閉まると真っ暗で、何も見えないからライトを持ち歩くスタッフたちにくっついていました。道に迷うかと思って。そして、トイレのすぐそばで牛が“モ〜”と鳴きますけど、夏にトイレに行ってドアを開けると、蚊が集まってくるんです。だから、一度行って来ると、お尻が全部蚊に刺されちゃって。
―キツネの扮装も苦労したでしょう。
キム・ユジョン:ポスターを撮る時は、顔が写らないようにしますから、6〜7時間座って扮装をしたんです。初めは顔がすごく緑色でした。ソ・シネ姉さんが来て「あなたシュレックでしょ?」とか言ったりして(笑) そして、映画「アバター」が公開された時だったから、みんながアバターみたいだと言って、後でドラマを撮影する時は鼻だけ付けましたけど、それでも1時間半ほどかかりました。テレビで観ると「私こんな感じだっけ?」と思えて不思議でした。
―「トンイ」までは主に誰かの幼少時代を演じましたが「九尾狐」のヨニは大きくなって誰かになるのではなく、ただ自分がヨニですよね。演じていてどんなところが違うと思いましたか?
キム・ユジョン:幼少時代を演じた時の方がもっと大変だったと思います。ヨニは自分一人で考えてずっと続けられるのに、子供の役は大きくなったら他の人がやるから、自分の考えと違ってもその考えに合わせていかなければならないし、同じようにしなければならないじゃないですか。自分が演じた時は活発だったのに、大きくなってからは暗くなる可能性もあるし、だからもっと深く考えなくてはいけなかったんです。
「ナヨンは欲張りで、ヘジンは人をこき使いたがる」
―「九尾狐」の時、武術チームのスタッフから剣術を学ぶ写真を見ました。アクション好きですか?キム・ユジョン:はい。「九尾狐」にアクションが多いため、アクションチームが毎日来ていました。とても不思議で、でも面白そうで、一緒に練習してみたんですけど本当に楽しかったです。ワイヤーにもたくさん乗ってみたからもう怖くないし、最初は水が怖かったんですけど、水中撮影をするうちに怖くなくなりました。後で武術映画も撮りたいです。
―だったら中国やハリウッドみたいなところから、映画を撮りたいとオファーがきた場合は応じますか?
キム・ユジョン:やってみたいです。以前は外国人しかいないから行きたくなかったんですけど、知り合いの人が何人かはいるでしょう。母とマネージャーの兄さん(笑) でも、英語はやりたくないです。
―「九尾狐」でソ・シネちゃんと息を合わせるのはどうでしたか?
キム・ユジョン:シネお姉ちゃんとは、イ・ヨンユ姉さんと合わせて子役3人と呼ばれ、一緒によく仕事をしましたけど、2人で演じたのは今回が初めてでした。でも、とてもよかったです。一緒に撮影して、息を合わせて。でも、敵役だったから(悔しげに)私の肝を食べちゃった(笑)
―以前はやさしくて、率先して他の人たちに気を遣うキャラクターを多く演じていましたが「欲望の炎」では欲張りで強い性格のキャラクターを演じましたね。しかも、ナヨン(シン・ウンギョン)とヘジン(ソウ)の子役を同時に任されて親子を一人二役で演じていましたけど、二人の性格が似ているようですが少し変えたかったところもありますか?
キム・ユジョン:一応、ナヨンは何かほしくて、やりたい欲が多いみたいです。そして、ヘジンは人をこき使いたがる感じ(笑) ヘジンが崖から降りようとする時のセリフを見ると「見ていろ、私がどう生まれるか。私の下に部下をいっぱい置いて暮らすから」と言うのです。今のソウ姉さんを見ると、マネージャーもいっぱいいるじゃないですか。だけど、ナヨンはお金をたくさん稼いで、お金持ちになりたがるし、ヘジンも歌手になってお金持ちになりたがるから夢は同じだと思います。お金持ちになること、だからそれを思いました。ヘジンは歌も歌いますけど(笑) でも、それは全部失敗しました……
―何で?もっと上手くやりたかったんですか?
キム・ユジョン:はい。母が全部間違っていたって言っていました。家で一生懸命に練習したのに。
―「夜汽車」などは生まれるずっと前に発表された曲ですけど、もともと知っていましたか?
キム・ユジョン:少しは知っていました。タイトルも知らなかったし、イ・ウンハさんも知らなかったんですけど、SBS「チャレンジ1000曲」に出演したのを見ました。歌がすごくお上手です。
―「欲望の炎」では、慶尚道(キョンサンド)の方言も演じなければならなかったのですが、どうやって学びましたか?
キム・ユジョン:もともと方言を使う芝居をやりたかったんですが、実際にできて嬉しかったです。地元が浦項(ポハン)の俳優さんに習いましたけど、すごく優しくしてくれました。ドラマに入る前、5回か6回練習して、録音機に録音して真似して、すごく新鮮な気持ちでした。でも、おかしくなった気がしたところもあって、だけどみんなよくやったと言ってくれて、ちょっと……(笑) でも、方言も使って、独特で、お金もほしがる欲張りの子だからこそやってみたかったので、できてよかったと思います。ナヨンを演じる時は鯨肉も食べてみました。
―鯨肉はどんな味ですか?
キム・ユジョン:噛まないで、ただ口の中に入れて吐いちゃいました。でも、ちょっと甘かった気がします。生臭いところもありますけど、刺身に似たようです。あ、ユッケ!
―ユッケも食べたことありますか?
キム・ユジョン:はい!何でもよく食べます。でも、ピザにのっている黒いオリーブは嫌いです。
「社会と科学のテストでいい点数が取れました」
―数年間子役として演じてきましたが、最近は外出時に気付いてくれる人が多くなりましたか?キム・ユジョン:はい。「トンイ」と「九尾狐」を撮ってから変わった気がします。「あなたトンイじゃないの」「ヨニじゃないの」と話しかけてくれるし、九尾狐の娘だとか、私が肝を抉って食べる九尾狐だという子供たちもいます(笑)
―それで怒る時もありますか?
キム・ユジョン:ただのいたずらだと思っています。私は本当に九尾狐ではありませんから。でも「九尾狐」が終わってすぐ引っ越したんですよ。それで転校した初日、たくさんの子供たちに分かっちゃって、ちょっと、気まずかったです。この前、父とイルサンからミョンイルドンの友達の家まで、バスと地下鉄に乗って遊びに行きましたけど、そうやったことが久しぶりだったので、すごく楽しかったです。
―学校では何をする時が一番好きですか?
キム・ユジョン:うーん……休み時間が一番好きです(笑) そして、体育と美術の時間が好きです。走るのも「トンイ」を撮影しながらいっぱい走って、前より上手になりました。「トンイ」を撮影し始めた頃は身長が138cmでしたけど「九尾狐」の時も山の中で走りまくったら、かなり伸びて150cmくらいあります。
―どれくらい高くなりたいですか?
キム・ユジョン:168〜9cmくらいです。
―KBS「かぼちゃの花の純情」では中学生役も演じていたのですが、どうでしたか?
キム・ユジョン:制服も着て楽しかったです。でも、演技はあまり変わらないと思います。
―中学生になったらどうなると思いますか?
キム・ユジョン:すごく楽しそうです。みんなが、中学校は一番楽しいと言います。あ、勉強は除いて(笑)最近の中学校には売店もあるでしょう。でも、イルサンにはありませんでした!新しい都市だからか、勉強もソウルより頑張ります。もともとソウルの小学校は、国語、数学、社会、科学しかテストを行いません。校長先生によって違うけど。なのに、コヤン市では英語と芸術、体育などほとんど行います。
―あ、そうなんですね……英語のテストを受けてみてどうでしたか?
キム・ユジョン:テストの時間が本来は4時間ですが、5時間に延びちゃったから、少し退屈な感じもするし、緊張感もなくなるし……英語の聞き取りテストの時も、ちょっと紛らわしくて。英語はとても難しいです……
―勉強のために塾などにも通っていますか?
キム・ユジョン:以前住んでいた町ではずっと通っていましたが、転校してからは行っていません。イルサンの子たちは、勉強でストレスをたくさん受けていると思います。みんな塾に行くから昼間に子供たちが一人もいません。雑居ビルも全部塾だし。
―どの科目の点数が一番よかったですか?
キム・ユジョン:社会と科学です。今回はいい点数が取れたから、母が子犬を買ってくれました(笑) ヨークシャー・テリアで名前はトトです。2歳半になりました。人間の年では十何歳だから私よりはお兄ちゃんですけど、それでもかわいいです。
―いい子ですか?
キム・ユジョン:はい。食べ物が好きで、食べ物をあげるとよく後をついてきます。人が食べるのも全部食べますし。
―そうやってテストでいい点数が取れたら、お母さんが何かやってくれるといったことがまだありますか?
キム・ユジョン:2009年の子供の日、中間テストの時は携帯ケースを変えてくれました。もともとお金や携帯などはすごく大事に使いますけど、新しいものが出てくるとかわいいから、カラーケースだけ変えました。スライドしか使ったことがありませんけど、最近は携帯のホルダーがほしいです。
―家では何時までテレビが見られますか?
キム・ユジョン:前は遅くまで見られましたけど、最近は学校に行って帰ると昼になって、母が昼は勉強しろと言うし、そうすると時間があっと言う間に過ぎてしまって、夜は遅く寝ると身長が伸びないからといって、11時前には寝ろと言われるのです。だからミニシリーズ(毎週連続で2日間に2話ずつ放送されるドラマ)はなぜ10時に放送するのか分かりません!再放送を逃すと、ネットでお金を払って観なければならないのに。
