住宅市場に異変? 中古マンションより戸建てが人気のナゼ
4月6日発行号で「首都圏でマイホーム取得は難しくなった!」と書いた。しかし、ここにきて首都圏住宅市場に変化が見られる。高騰が続く新築分譲マンションや、中古マンション需要から、戸建て住宅にシフトするユーザーが増えてきたのだ。
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不動産経済研究所によると4月の首都圏新築分譲マンションの平均価格は8736万円と3カ月ぶりの1億円割れとなり値下がりは2カ月続いた。同社松田忠司取締役が新築マンション市場をこう説明する。
「大型で価格が高い物件が出ると首都圏市場はそれに引きずられ価格が上昇します。ただ4月は例年大型物件の販売タイミングが少ないため値が下がり、1億円割れに。年内の供給は約2万3000戸と近年では極めて少なく、春商戦で注目の麻布十番、赤羽台、武蔵小杉など大型物件の供給で今後は価格押し上げが想定されます」
都内ではマンション建設用地は限られ、中東情勢から建設資材の値上がりなどコスト上昇は避けられない。大手ディベロッパーは、高値でもついてこられるユーザーが求める物件に絞り建設する方向性が強くなっている。新築マンションの値下がり、1億円割れの状況は一過性の動きと捉えた方がよさそうだ。
中古マンション市場は、転売で売買益を狙う投資家が価格を押し上げてきた。しかしここにきて値下げの動きが出始めた。東京カンテイ高橋雅之・上席主任研究員が言う。
「首都圏の中古マンションは、新築マンションや国内外の投資家に牽引され18カ月連続で上昇してきましたが、ピークを越え始めました。水面下で在庫のダブつき、中東情勢から原油や資材の供給不安など、今後の価格への警戒感で購入を控える動きが予想されます」
一方、いまユーザーが目を向け始めているのが一戸建て住宅購入の動きだ。東日本不動産流通機構による2025年の首都圏新築戸建て住宅の成約件数は1万6197件と、前年比242.8%増と急増。また中古戸建て住宅は2万1632件(前年比52.5%増)と2年連続で増加した。先の高橋氏がこう述べる。
「中小企業に勤めるユーザーは実質賃金が伸びず、住宅購入予算の選択肢は限られてきます。これまでは中古マンションが選択肢だったユーザーに、価格高騰から一足飛びに面積が広い戸建て住宅購入への動きが増えてきています」
4人家族なら100平方メートルは欲しいとなるとマンションなら軽く1億円は超える。しかし、戸建て住宅ならその半分の5000万円前後で購入可能だ(東京カンテイ首都圏4月新築一戸建て、平均価格4932万円)。
価格、面積、そして交通利便性で選択はより難しい状況になってきている。
(木野活明/ジャーナリスト)
