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スポーティに仕上げたEVモデル

ステランティス傘下のオペルおよびヴォグゾールは、新型の高性能EV『コルサGSE』を発表した。両ブランドにとって数年ぶりのホットハッチとなる。

【画像】ステランティスの英独ブランドから電動ホットハッチがデビュー【オペル/ヴォグゾール・コルサGSEを詳しく見る】 全15枚

初代コルサ(ヴォグゾール版はノヴァ)のスポーティモデルである『GSi』の遺伝子を受け継ぐとされ、標準の『コルサ・エレクトリック』の約2倍の出力に加え、改良されたサスペンションと、よりアグレッシブなスタイリングを備えている。


新型ヴォグゾール・コルサGSE(右)と初代ヴォグゾール・ノヴァGSi    ヴォグゾール

欧州では電動ホットハッチ市場が急成長中だ。コルサGSEは、アルピーヌA290やミニ・ジョン・クーパー・ワークス・エレクトリック、新型フォルクスワーゲンIDポロGTIといった強力な競合車に加え、アバルトやアルファ・ロメオを含むステランティス傘下の他ブランドからも登場する一連のモデルと対峙することになる。

兄弟車であるプジョーe-208 GTiと同様に、コルサGSEは標準モデルの156psの電気モーターを、アバルト600e、アルファ・ロメオ・ジュニア・エレットリカ・ヴェローチェと同じ281psのユニットに交換している。

最高速度は180km/hに制限されるが、0-100km/h加速タイムは5.5秒となる。車両重量は約1550kg。

初代GSiの要素も取り入れた専用デザイン

駆動力はトルセン式リミテッドスリップディファレンシャルを介して前輪に伝達され、スロットルとブレーキペダルのレスポンスはスポーティにチューニングされているという。また、前後のアクスルが改良され、高剛性のアンチロールバーと新しいダンパーが採用されている。

サスペンションは標準よりも低く設定され、新しい18インチアルミホイールにはミシュランのパイロットスポーツ4Sタイヤを装着。ステアリングの重量感とフィードバックが増強されたほか、ラックの反応もクイックになった。ブレーキは、前後ともにアルコン製の4ポッド式を採用した。3本スポークのアルミホイールは初代ノヴァGSiを彷彿とさせつつ、空力性能を向上させるフラットフェイスデザインとなっている。


オペル・コルサGSE    オペル

ドライブモードは複数用意され、ノーマル設定では、航続距離を確保するため最高出力は231psに制限される。エコモードではこれよりさらに出力が抑えられ、最高速度も150km/hに制限される。サーキット走行用のスポーツモードでは、281psのフルパワーが解き放たれる。

エクステリアデザインとしては過激さを抑えつつ、スポーティに仕上げている。エアインテークやホイールアーチ周辺に施されたブラックのアクセントは、1990年代初頭のノヴァGSiを思い起こさせる。

インテリアを見ると、厚みのあるタータンチェック柄のバケットシート、グリーンのシートベルト、アルカンターラ張りのステアリングホイールなど、標準のコルサよりもスポーティな仕様であることは明白だ。ペダル類はアルミニウム仕上げとなる。

ブランドイメージ刷新へ

航続距離の数値はまだ公表されていないが、ミシュラン・パイロット・スポーツEVタイヤを装着した高性能クロスオーバーの『モッカGSE』は、1回の充電で約320km走行可能だ。タイヤのコンパウンドに違いはあるものの、コルサGSEは車高の高いモッカGSEよりも軽量で空力効率に優れているため、同様の航続距離になると予想される。

価格も未確定だが、参考までにヴォグゾール・モッカGSEは英国のEV補助金1500ポンド(約32万円)を含めて3万5495ポンド(約760万円)となる。コルサGSEはこれより若干安くなる見込みだ。


オペル・コルサGSE    オペル

AUTOCARが取材で得た情報によると、コルサGSEに続いて、より大型の『アストラ』の高性能モデルもまもなく登場するようだ。こちらは同じパワートレインを採用しつつ、ファミリー向けの仕様となる可能性がある。

『GSE』はスポーツ志向のサブブランドで、オペル/ヴォグゾールの従来のイメージを払拭し、魅力的で新しいイメージの確立を目指す上で重要な役割を果たしている。これは、価格重視の中国の競合他社が、長らくオペル/ヴォグゾールの主なセールスポイントの1つであったコストパフォーマンスを脅かしているためだと見られている。

ヴォグゾールのコマーシャル・ディレクター、マイケル・アウリアール氏はAUTOCARの取材で、「ヴォグゾールは合理的な魅力では高評価を得ていますが、情緒的な魅力においてはそれほどではありません」と語った。

オペル/ヴォグゾールの両ブランドのCEOを務めるフロリアン・ヒュットル氏は以前、「スポーティさ」こそが、プジョーやシトロエンといったステランティス傘下の兄弟ブランドとの差別化を図る上で「次のステップ」になると述べていた。