デジタルコンテンツや生成AIのアーカイブを保存する非営利財団「インターネットアーカイブ・スイス」設立

ウェブサイトやデジタルメディアの保管を行う非営利団体のインターネットアーカイブは、2025年10月までに保存したウェブページの数が1兆件に到達したことを報告しているように、膨大なネットコンテンツの収集・保存を行っています。そんなインターネットアーカイブは新たに非営利財団の「インターネットアーカイブ・スイス」の設立を発表し、スイスのザンクト・ガレン大学と提携して「生成AIアーカイブ」の構築などを目標として掲げました。
https://internetarchive.ch/
Internet Archive Switzerland: Expanding a Global Mission to Preserve Knowledge | Internet Archive Blogs
https://blog.archive.org/2026/05/06/internet-archive-switzerland-expanding-a-global-mission-to-preserve-knowledge/
インターネットアーカイブ・スイスはスイス東部の中心都市であるザンクト・ガレンに拠点を置く非営利財団で、スイス国内の枠組みの中で独立して活動します。スイスを選択した理由として、スイスという国の持つ中立性、安定性、高度なインフラを活用して、危機に瀕した文書を損傷から守ることが目的として挙げられています。
取り組みの一環として、インターネットアーカイブ・スイスはザンクト・ガレン大学コンピュータサイエンス学部と提携し、AIモデルのアーカイブ化を目指す「Gen AI Archiveプロジェクト」に取り組んでいます。
Gen AI Archiveプロジェクトは、AIモデルが進化を続けるにつれて消滅したり変更されたりする古いバージョンについて「AIモデルのスナップショット」として保存するプロジェクトです。スナップショットには質問に対する応答、知識、動作などが保存されます。これにより、アーカイブはAIに関する集合的な記憶を構築し、研究者、政策立案者、そして一般の人々がAIの変化を理解するのに役立ち、AIのバイアス、推論、そして社会への影響に関する長期的な研究を可能にします。

インターネットアーカイブ・スイスの公式ページでは設立の目的について「私たちの主な目標は、『あらゆる知識への普遍的なアクセス』を実現することです。デジタルコンテンツは際限なく増え続けているように思えるかもしれませんが、実際にはファイル形式の変化、ストレージメディアの突然の故障、迅速なデータ削除、そして知識を有料コンテンツとして隠ぺいする傾向の高まりなど、様々な問題に直面しています。これらすべてが、情報への容易なアクセス、学習、そして事実に基づいた意見形成を脅かしています。こうした背景から、当財団は設立初期段階において2つのイニシアチブを立ち上げました。1つは、ザンクト・ガレン大学と提携し、現代のAIモデルを未来の世代のために保存するGen AI Archiveプロジェクトを構築することです。もう1つは紛争、災害、弾圧によって失われてしまう可能性のある貴重なコレクションを、失われる前に保存する方法を模索することです」と述べています。
インターネットアーカイブ・スイスのエグゼクティブ・ディレクターを務めるローマン・グリースフェルダー氏は「ザンクト・ガレンは、普遍的な知識の保存をさらに一歩進めるのに非常に適した場所です。ここでは安定性と革新性が両立しており、文化遺産の重要性に対する深い理解に根ざしています」と語りました。
