建設業、自動車業、コープデリなどでナフサ不足が深刻化 政府、中東外から輸入で供給見通し“年越し”に引き上げ
高市早苗首相は4月30日、ナフサ由来の化学製品について半年以上としてきた供給見通しを“年越し”へと引き上げた。
中東以外、アメリカ、アルジェリア、ペルーなどの国からナフサを輸入し緊迫前の3倍に拡大する見通しだ。備蓄原油を用いた国内精製も継続し、ポリエチレンなどの中間段階の化学製品の在庫を1.8カ月分活用する。輸入と国内精製を組み合わせ、年越しという見通しだ。
入着面では、4月にアメリカ産のナフサの到着が確認された。コスモ石油が調達した同国産原油も千葉製油所に送られた。
各業界でナフサ不足
一方で、ホルムズ海峡が封鎖され、ナフサの輸入が滞り始めたことで、建設業、自動車業界のほか、コープデリ連合会などで不足が目立ち始めている。不足が長引けば各業界にとって大きなダメージとなる可能性がある。
建設業では、塩ビ製の給水管やベニヤ板、養生シート、シンナーなどの資材不足を訴える声が増えてきた。ベニヤ板は床や壁に使用されるが、確保できなくなると工程が遅れる。そのため、納期が遅くなることが増えている。
生コンクリートに使用される混和剤もナフサ由来だ。混和剤にも供給制限が出ている。人手不足と資材高騰で回らなくなる現場も出始めている。
全国建設業協会は「工事の中止や遅延が避けられない状況も発生している」とし、政府に対し需給改善などについて要請している。
自動車業は、ナフサ由来で塗料に欠かせないシンナー不足が目立ち始めている。日本自動車工業会でも懸念しており、自動車メーカーは塗装ができなければ車を作ることはできずあらゆるところに影響が出るとしている。
海峡封鎖により影響は石油だけでなく、輸出ルートにも出ている。迂回(うかい)ルートを使った場合、通常50日で届けられるところが100日と倍になるため、自動車メーカー各社は現地に届けるルート確保の対応にも追われている。
コープデリ連合会は、石油由来原料不足を受け、商品や包装資材の調達が困難になっていることを発表。注文集中時は「1人1点」の数量制限や抽選販売へと販売形式を変える可能性があるとしている。利用者には必要量に応じた利用を呼びかけている。
中東情勢は未だ不透明で先が見えない。だからこそ、中東以外の輸入が必要となる。各界では、日常業務にナフサ不足の影響が出始めている。倒産会社が増える前に、高市首相が3倍に拡大するという輸入量に期待したい。
文/並河悟志 内外タイムス編集部
