駐車時の「据え切り」なんでダメ?(画像:PhotoAC)

写真拡大

駐車時の「据え切り」なんでダメ?

 決められたスペースにクルマを納める「駐車」は、初心者からベテランまで苦手意識を持つ人が多い操作のひとつです。

 特に日本の狭い道路事情では、何度も切り返しが必要な場面も多く、ついついやってしまいがちなのが、停止したままハンドルを回す「据え切り」です。

【画像】それやっちゃダメ! これが「クルマが傷むNG行為」です!(19枚)

 なぜ据え切りがいけないのか。現役整備士のT氏に話を聞くと、ハンドルとタイヤをつなぐ機構に負担がかかるためと教えてくれました。

「ハンドルを回すと、その動きはいくつかの関節パーツを介してタイヤに伝わります。止まったまま重いタイヤを無理やり動かそうとすると、その中間にあるボール形状のジョイント部分が徐々に摩耗し、アソビが大きくなってしまうのです。そのまま放置すれば、最終的には操作ができなくなるような大きな故障につながる恐れもあります」

 もちろん、現代のクルマは頑丈に設計されているため、据え切りをしたからといってすぐに壊れることはありません。しかし、これを日常的に繰り返していると、足回りのパーツに負担が蓄積し、将来的に思わぬ不具合や修理費用を招く原因になることがあるというのです。

 ハンドルを回す力は、いくつかの関節のようなパーツを介してタイヤへと伝わります。クルマが止まった状態で重いタイヤを無理やり動かそうとすると、この関節部分に強い摩擦がかかり、少しずつ摩耗してしまいます。

 これが進むと、ハンドルの反応が鈍くなったり、走行中にガタガタと異音がしたりするようになります。極端なケースではありますが、パーツの消耗を放置すれば、安全な走行に支障をきたす可能性もゼロではありません。

 また、据え切り以外にも、駐車の際に意識したいポイントがいくつかあります。

 まずは、ハンドルを大きく切ったままエンジンを切らないこと。これは故障というよりも、次に始動する際に「ハンドルロック」がガッチリと噛んでしまい、ロックが外れずエンジンがかからないといったトラブルを防ぐためです。

 また、ライトやカーエアコンなどの電装品をつけたままいきなりエンジンを切るのも、バッテリーを労わるうえで避けたい行為だといえるでしょう。

 今のクルマはコンピューター制御が行われているので過度に心配する必要はありませんが、ライトやカーエアコンを消してからエンジンを切る習慣は、バッテリーの消耗を抑え、次にエンジンをかける際のスムーズさを助けてくれます。

※ ※ ※

 狭い駐車場では、どうしても据え切りが必要な場面もありますが、「クルマがほんの少しでも動き出してからハンドルを回す」というひと工夫をするだけで、タイヤや足回りへの負担はぐっと軽くなります。

 過度に神経質になる必要はありませんが、愛車を長持ちさせ、余計な修理費を抑えるための「ちょっとした思いやり」として、意識してみるといいでしょう。