「生き地獄から解放されたい」性被害訴えた女性検事が辞表、涙の記者会見
大阪地方検察庁の女性検事Aさんが4月30日、大阪地検に辞表を提出した。記者会見で「復職する道を整えてもらえず、被害もなかったかのように扱われた」と検察側の対応を批判した。
Aさんは2024年2月、当時の大阪地検トップの検事正だった北川健太郎被告から2018年9月に性被害を受けたと訴えた。北川被告は逮捕され準強制性交罪の疑いで起訴された。
2024年10月、北川被告は初公判で起訴内容を認めたが、2カ月後に無罪主張に転じた。また、Aさんの同僚の女性副検事は、性的暴行の訴えがうそだったといううわさを職場で広めたり、北川被告側に捜査情報を漏らしたりしていたという。
Aさんはこの女性副検事を国家公務員法違反や名誉毀損などの疑いで刑事告発したが、いずれも嫌疑なしや嫌疑不十分として不起訴にされた。そして、2025年3月、大阪高検の部長は代理人を通じてAさんに対し、公での発信を控えるよう警告してきた。
Aさんは今年3月、検察幹部ら15人を告発。法務省と検事総長に第三者による調査を要望し、実行されなければ辞職する意向を伝えた。これがAさん辞職までの大まかな流れだ。
Xでアカウント立ち上げ
X(旧Twitter)には「女性検事を支援する会事務局」というアカウントが立ち上がり、多数の投稿が寄せられている。
「これで元検事正が無罪になったら法務省も検察も司法も闇でしかないな…」「レイプ魔が残って被害者が辞表、最悪の結末すぎる…」「コレが通るならこの国から性犯罪なんぞ無くならない!」
オンライン署名サイト「Change.org」では、北川氏による卑劣な性犯罪と副検事によるセカンドレイプへの厳正な処罰を求める署名活動が行われ、9万2194人からの賛同署名が集まっている(5月1日時点)。
Aさんは記者会見で、自身を支えてくれていた職場の先輩職員が本人の希望に反して異動することになったことを最近知り、そのことで退職の決意が固まったという。
「あの組織は日本語が通じない。自分の声が届かない。透明人間みたいになっていって、存在していないかのように扱われるのがすごく辛かった。生き地獄から解放されたいと思って、辞表を出さざるを得なかった」
Aさんが被害を訴えるまで6年かかっており、相当な勇気が必要だったに違いない。しかし、自分を守ってくれるはずの組織から冷たい仕打ちを受け、同僚らからセカンドレイプとも呼べる仕打ちを受けた。それが法と正義を守るはずの検察庁という組織だったわけで、今回の件は検察庁と司法全体の信用が問われている事態だと考えるべきだ。
国会では、再審制度見直しをめぐり、超党派の議員らは検察の「抗告」全面禁止を求めている。これに対し法務省と検察は必死に抵抗しているが、国民からは組織防衛にしか見えず、強く批判されている。
文/横山渉 内外タイムス
