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グローバル販売は躍進

シトロエンは、中国のライバルに対抗するために自社の歴史と伝統を活かし、より個性的なモデルを投入する方針だ。同時に、新興メーカーから学び、より迅速かつ効率的な開発手法を習得しようとしている。

【画像】シトロエンにしか作れない個性的な小型ミニバン【ELOコンセプトを詳しく見る】 全21枚

現在のSUV中心のラインナップと価格競争力を重視したポジショニングは、本拠地である欧州において、オモダ、ジェイクー、吉利汽車(ジーリー)、長安汽車といった中国ブランドの台頭に対し、「老舗」ブランドの中でも特に影響を受けやすい。


昨年12月に公開されたELOコンセプト

しかし、CEOのグザヴィエ・シャルドン氏は、ブランド独自の強みと顧客ニーズへの徹底したこだわりが、市場シェアの維持と拡大につながると確信している。

シトロエンは2026年第1四半期の世界全体の販売実績として、前年同期比10%増の19万台(英国では118%増)と発表した。シャルドン氏は英国の記者団に対し、欧州における一部の中国ブランドの急速な成長を認めつつも、それがシトロエンの成長計画に影響を与えるとは考えていないと述べた。

現状に満足せず成長加速へ

「中国メーカーが欧州で拡大していることは認識しています。英国の第1四半期では、オモダやその他のブランドが驚くべき躍進を遂げました」とシャルドン氏は述べた。

オモダは奇瑞汽車傘下のブランドで、兄弟ブランドであるジェイクーとともに好調な販売を見せている。


シトロエンのグザヴィエ・シャルドンCEO

「しかし、それがシトロエンの市場シェア拡大を阻むことはありません。中国メーカーの存在にもかかわらず、シトロエンは拡大を続けています」

2026年に入ってからの欧州におけるシトロエンの販売台数が12%増加したが、その主な理由は過去1年間で全面刷新された主力モデルラインナップの魅力だという。また、新規参入ブランドの市場シェア拡大にもかかわらず、この「好調な勢い」をさらに「加速」させ、来年も成長を続けていく計画だと述べた。

「わたし達は欧州における日本メーカーの進出、続いて韓国メーカーの進出に直面してきました。今は中国メーカーの台頭がみられます。彼らは特にプラグインハイブリッド車(PHEV)やEVにおいて非常に強力なモデルを投入してきています。だからこそ、わたし達はより積極的に行動し、安住の地から抜け出し、お客様の期待に沿った製品を提供していく必要があるのです」

シトロエンが持つ強み

シャルドン氏は、市場での地位を確固たるものにするため、欧州での107年にわたる自動車販売の歴史をより強く活かすと述べた。独自の新しいデザイン言語を導入し、現地の顧客ニーズに細かくマッチするよう、車両のパッケージングとエンジニアリングを徹底するという。

「中国メーカーとは異なる道を歩んでいると思います。まず、シトロエンには伝統があり、それを活かしたい。第二に、『賢く、思いやりのある』存在でありたいと考えています。すべてのお客様がますます多くのテクノロジーを求めているとは考えていません。だからこそ、現在のシトロエン車や将来のモデルにおいても、至る所に複数のスクリーンを配置することはないでしょう」


昨年12月に公開されたELOコンセプト

「また、0-100km/hの加速性能を追求することにも、それほど関心はありません。それはシトロエンの領域ではありませんし、そうした要素を求めるお客様は、シトロエンは買わないでしょう。シトロエンは万人を満足させようとしているのではなく、お客様とのつながりをシンプルにしたいと考えています。シトロエンが提供するのは、広さ、快適さ、そして安心感です」

この顧客中心のアプローチは、個性的なインテリアデザインにも表れる。特に大型タッチスクリーンを中心に据え、物理的な操作系を最小限に抑えたミニマルなダッシュボードを特徴とする中国車との差別化要因になるという。

「ここ数か月、わたしは中国に何度も足を運びました。車内に座って目を閉じたり、ロゴを取り除いたりすれば、どのダッシュボードも同じように見えます。シトロエンは、異なる提案ができると強く信じています」

学ぶべきは開発スピード

シャルドン氏は、シトロエンのデザイン特性を示す好例として、昨年12月に公開された『ELO』コンセプトを挙げた。また、現行『C3』のコックピットは、あらゆる情報を「シンプルでアクセスしやすい」ものにするというマニフェストを体現したものだと述べた。

しかし、シャルドン氏は、シトロエン独自のデザインと認知度があれば新たなライバルに対抗できると確信しているものの、迅速かつ効率的な車両開発においては彼らから学ぶべき重要な教訓があると考えている。


昨年12月に公開されたELOコンセプト

欧州のメーカーにとって最大の教訓は、「とにかくスピード」だという。「彼らはスピードアップに極めて注力しています。80%の速さでも、100%遅れるよりは良い場合もあります」

市場環境の明確な違い

シャドルン氏はさらに、欧州市場と中国市場の間には根本的な違いがあり、すべての手法をそのまま応用できるわけではないと付け加えた。例えば、中国の自動車メーカーは、購入者の平均年齢が若く、購入後のアップデートにも比較的前向きであるため、新型車の市場投入のハードルが低い。

「しかし、わたしはベータテストを行うことにはあまり賛成ではありません。C3でベータテストを実施しましたが、二度とやりたくありません」

ベータテストはC3の発売を遅らせる要因となっただけでなく、その後も問題を引き起こし、リコールや品質改善で多額のコストを強いることになった。

「中国から取り入れることができない要素も確かにいくつかあります」とシャルドン氏は続けた。

「シトロエンが現在取り組んでいるのは、モデルの市場投入までの期間を短縮することです。もちろん、土曜日や日曜日も常に働くわけではありませんが、だからといって開発やテストの効率を高められないわけではないのです」