この記事をまとめると

■トラックには車高灯という装備がついている場合がある

■車高灯には「上側端灯」という正式名称がある

■ランプの色によってその扱いが変わる特徴を持ってる

あってもなくてもいい? ルールが複雑な車高灯の話

 トラックの後ろを走っているときにぜひ注目してもらいたい部分がひとつある。それは荷室上部に取り付けられ、小さく光っているランプだ。意識して見ないとそのランプの意味どころか存在にすら気がつかないことを多いだろう。しかしこのランプ、色や点灯方法により名前が変わるという、少し珍しいタイプの灯火類なのだ。そこで今回はこの「車高灯」について説明していこう。

 トラックに取り付けられる灯火の種類は数多くあるが、もっとも目にするのはサイドマーカーだろう。これは名前のとおり車体の左右につけられ、色や形にもバリエーションがたくさんある。非常に明るいものも多いのでトラックのドレスアップには最適なパーツのひとつといえる。

 その一方で「車高灯」は少し地味な存在といえる。荷台の上部についていることに加え、大きさも小さめであることからファッション性をアップするというよりは、ワンポイントアピールという感じだろうか。

 そうはいっても車高灯は見た目だけ優先のパーツではない。その正式名称を「上側端灯」といい、車体前後の屋根の両端部に設置されている灯火のことを指すのだ。これは車幅灯と同様に周囲に対してトラックの大きさを知らせる役割をもっており、色や取り付け位置などが細かく法令で決められている。

 画像を見ていただければわかると思うが、車高灯が装着されているのは、ウイングやアルミバンといったルーフのあるトラックに限られる。つまり後部にルーフをもたないダンプや平ボディは、物理的に車高灯が取り付けられないということだ。

 しかし、車高灯はルーフがあるトラックすべてに装備されているわけではない。よく見るとわかるのだが、車高灯を装備しているトラックとそうでないトラックにわかれるのだ。これは車高灯には設置義務がないことがないからであり、「備えることができるパーツ」なので、フォグランプのような扱いとなっている。装着しなくても問題はない車高灯だが、逆に装着する場合は色や取り付け位置、点灯方法などが保安基準によって細かく定められている。ではもう少し車高灯について説明して行こう。

決められた色以外でもOKな場合も

 車高灯はトラックの前に装着する「前部上側端灯」と、後ろに装着する「後部上側端灯」の2種類にわけられる。いずれも、トラックの存在を周囲へ示すために車体の上部外側に取り付けられる灯火なのだが、このふたつは異なる部分が少しある。もっと大きく違う部分はその色だ。前後で役目は同じながら、前側は白色、後部は赤色の車高灯を装着しなければならない。もし夜のサービスエリアなどでトラックを観察する機会があれば、ぜひ前後の両方を見ていただきたい。

 ここまでの説明どおり、車高灯は前は白で後ろが赤という知識をもとに実際のトラックを見てみたとき、少し違和感を覚えるかもしれない。なぜなら取り付けられている位置は同じでも、色が違うランプがついているケースが多いからだ。「それじゃあ、法律違反では?」と思うのもわからないでもないが、じつはこれにもからくりがある。

 前述の位置による色の指定はあるが、もし前部の白と後部の赤以外の灯火類を装着した場合、それは「その他の灯火」としての保安基準が適用されるので、車高灯とはならないのだ。つまり車高灯と同じ位置にランプが装着されていたとしても、法律で決められていた色以外のランプを装着しても車高灯ではないだけで何の問題もないということだ。

 ただしここで注意したいのは「その他の灯火」としてのなんらかの灯火類を装着する場合は、前部に赤色、後部に白色のランプを装着することはできないということだ。このことに加え点灯方式による違いもある。話が少し複雑になるが簡単にまとめておこう。

 前側の車高灯は夜間に「その前方300mの距離から点灯を確認できるものであり、他の交通を妨げないものであること」という決まりがある。また車幅灯が点灯しているときに、消灯できない構造でなければならないのだ。ここで重要なのは車幅灯と同時点灯でなければならないという部分だ。

 一方で後部上側端灯の視認性は前部上側端灯と同じだが赤色のみが認められている。さらに点灯方法は、テールランプが点灯しているときに消灯できない構造であることと、点滅しないことが条件だ。ただし、なかには後部でもオレンジ色が車高灯として認められるケースがある。それが以下のパターンだ。

 オレンジ色は、基本的にサイドマーカーとしての役割を兼ねている場合に義務付け、または許可される。さらに全長が6メートルを超える車両には側方灯の設置が義務付けられており、その色はオレンジ色と決められているため側面の補助灯として扱う場合はオレンジ色が一般的というわけだ。実際に装着されているランプを見るとオレンジ色が比較的多いことにも気づくはずだ。

 この規定を知っていると、車高灯と同じ位置に付いているし、大きさも同じようなランプだけれど、色が赤や白じゃないなら「あれは車高灯じゃないな」といった具合に判別することができる。なんとなくトラックの後ろを走るのもいいが、たまには車高灯にも注目してもらいたい。