来場者でにぎわった氷川丸=26日、山下公園前

 山下公園前(横浜市中区)に係留されている国指定重要文化財「日本郵船氷川丸」が竣工(しゅんこう)から96年を迎え、記念イベントが25、26の両日に船内で開かれた。26日には市消防音楽隊の演奏会があり、大勢の来場者が歴史ある船の“誕生日”を祝った。

 音楽隊はオープンデッキで「ブルー・ライト・ヨコハマ」や「コバルトの空」など7曲を披露。明るいポップソングなど多様な音色を響かせ、イベントを盛り上げた。船内は家族連れでにぎわい、子どもたちは「船が大きい」「楽しかった」と笑みを浮かべた。

 氷川丸(1万1622トン)は1930年4月25日に横浜船渠(せんきょ)(現・三菱重工業)で完成し、横浜と米シアトルを結ぶ貨客船として活躍した。戦時中は海軍に徴用され特設病院船に改装、終戦後は復員輸送や一般人の引き揚げ輸送を行った。映画俳優のチャップリンや柔道家の嘉納治五郎ら著名人が乗船したことでも知られる。

 53年にシアトル定期航路の貨客船として再就航。60年に引退するまで254回太平洋を横断し、計約2万5千人の船客を乗せた。翌61年から山下公園前に係留され、2016年に国の重要文化財に指定。長年にわたり横浜港のシンボルとして親しまれている。