片瀬那奈の会社員動画がYouTube160万回超再生 地味で普通の仕事ぶりと「不安になるより、今できることを」「自分のことを信じればいい」ポジティブ姿勢に称賛集まる
所属事務所を退所しフリーで活動する女優の片瀬那奈が、40歳で会社員になってから3年が経った。4月15日にYouTubeチャンネル「スタジオパーソル - はたらくを、もっと自分らしく。」で現在の仕事ぶりが公開されると、160万回再生を突破する注目コンテンツとなっている。なぜ片瀬の会社員動画が、これほど人を惹きつけるのか。臨床心理士の岡村美奈さんに聞くと、まず「ポジティブ思考の言葉が多く、ネガティブワードがほとんど出てこない」ことを指摘する。
【写真】「会社員」になった現在の片瀬那奈、メモと付箋びっしりの「会社員ノート」や、キラキラ芸能人時代も
無駄がなくわかりやすい、声のトーンにも気を配る会社員しぐさ
大手通販サイト「ロコンド」などを運営するジェイドグループ株式会社の社員として働く片瀬は、マーケティング部で広報PR、SNS設定、プレス業務、商品企画など多岐にわたる業務に就いている。動画は9時45分の出勤から退勤、仕事終わりの晩酌まで密着して約35分にまとめたもので、コメント欄やSNSでは「尊敬する」「ガチで凄い」「有能なのが分かる」など称賛の声を集めている。仕事が出来る人という評価が多いのは、「片瀬の歯切れよい口調に寄るところが大きい」と岡村さんは言う。
「質問への答えを、言いよどんだり考え込まず滑らかに話し、迷いなく言い切っています。説明も端的でわかりやすく、無駄なところがありません。『良い仕事を集中的にドンってやって早く帰る』効率性重視の姿勢も有能な印象を与えています」(岡村さん)
また、場面に合わせて話し方を変えながら、コミュニケーションを絶やさない姿勢も好ましい仕事の進め方として視聴者に好印象を与えている。
「デスクまわりに人が多いと声のトーンを下げ、少ないと上げて、周囲の様子に合わせて話し方を変えています。また、作業しているとき以外は常に顔を上げて話し、視線を落とすことがありません。手振りも大きく、指を開いて、手のひらを上にすることが多いため、オープンマインドの印象を強く与え、身振りでもポジティブな印象を強く与えています」(岡村さん)
もちろん芸能人としてのキャリアが生かされる場面もある。プレスルーム兼スタジオでのスナップ撮影では上司から「ポージングが私たちとはレベルが違う」と評価されていた。
「嫌だし、悲しいし、悔しい」も「自分のことを信じる」も本音
片瀬といえば、2021年9月末に芸能事務所を退所するに至った件は見過ごせない。約5年前に後輩俳優、その2年後に当時の交際相手が違法薬物で逮捕されたことで、潔白な自身にも疑いの目を向けられた。今回の動画では、質問に答える形で率直な思いを語っている。
片瀬は「がっつりくらってる。めちゃめちゃ嫌だし、悲しいし、悔しい」が、引きずらないと宣言。とても潔い発言だが、女優のキャリアを生かし演じているのではとの見方ができなくもない。しかし、彼女の表情と仕草は、それが演技ではないことを示していると岡村さんは指摘する。
「眉をぐっと上げて目を大きく見開いているので、言葉通り悲しくて悔しかったのでしょう。続けて『グジグジ考えているのがすごい嫌』と言いながら眉根を寄せ、眉間にシワを寄せている。変えようがない過去のことを考えるのが嫌い、というのも本音でしょう。そして表情を変えずに『自分のことを信じればいい』と言い、声の高さも音色も揺らがない。正直な気持ちを言葉にしているように見受けられます」(岡村さん)
普通の人間として「足りない左腕に」
さらに岡村さんが着目したのは「普通の人間」「意外と普通なんですよ」「片瀬は普通」と、自分自身について何度も「普通」という言葉を使っている点だ。
「『普通』に見られることを常に意識していますね。その一方で、会社には右腕になれる優秀な人が大勢いるから『足りない左腕になりたい』と言っている。右腕になる器量はないと控えめに言いながら、他にはない『左腕』になりたいという、とても大胆で大きな願いを持っているのは興味深いですね」(岡村さん)
ネットで取り上げられる仕事を語る人には、職人や技術者、起業家など何かの分野で特別な存在が多い。そういった人たちの働く様子を見たり話を聞いて凄いとは思っても、視聴者にとって身近ではないだろう。
一方で、片瀬の会社員動画が見せる働く姿は、大半がSNSやHP更新、取り寄せたサンプルの在庫管理作業など「地味だと思いますよ」(片瀬)という仕事だ。その地味と普通を積み重ねて特別になりたいと話す会社員・片瀬の動画が、普通の人たちの心を動かすのは当然の成り行きだったのかもしれない。
