Apple、ティム・クックCEOが退任へ 後任はハードウェア部門トップのジョン・ターナス氏
アップル(Apple)は、ティム・クックCEOが9月1日付で退任し、エグゼクティブチェアマン(会長)に就任すると発表した。後任の次期CEOには、現在ハードウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントを務めるジョン・ターナス氏が就任する。
ジョン・ターナス氏(左)、ティム・クック氏(右)
また、ハードウェアテクノロジー担当シニアバイスプレジデントのジョニー・スルージ氏が、現地時間20日に最高ハードウェア責任者に即日就任したことも発表された。
トップ交代と今後の役割
今回のCEO交代は、アップルの長期的な後継者育成計画に基づくもの。クック氏は、夏の間はCEOとしてターナス氏への引き継ぎを行う。9月1日付で会長に就任した後は、世界中の政策立案者との連携などアップルの一部業務を支援する。
また、過去15年間にわたり非業務執行取締役会長を務めてきたアーサー・レビンソン氏は、9月1日付で筆頭独立取締役に就任する。
新CEOとなるジョン・ターナス氏
9月1日付で次期CEOに就任するターナス氏は、2001年にアップルに入社し、プロダクトデザインチームに加わった。2021年以降はハードウェアエンジニアリングのシニアバイスプレジデントを務め、iPad、AirPods、iPhone、Mac、Apple Watchなど全カテゴリーにわたるハードウェア開発を統括してきた。
ジョン・ターナス氏
最近では、新型ノートパソコン「MacBook Neo」や、「iPhone 17 Pro」「iPhone 17 Pro Max」「iPhone Air」などの開発を牽引している。再生アルミニウム化合物の採用やApple Watch Ultra 3での3Dプリントチタンの使用など、環境負荷低減に向けた素材の革新も推進している。
クック氏はターナス氏について、「エンジニアの頭脳、イノベーターの魂、そして誠実さと名誉をもって導く心を持っている」とコメント。またターナス氏は、「Appleの使命を前進させるこの機会に深く感謝している」としている。
ジョニー・スルージ氏が最高ハードウェア責任者に
ハードウェア部門の再編に伴い、最高ハードウェア責任者に就任したスルージ氏は、ターナス氏がこれまで統括していたハードウェアエンジニアリング部門と、自身のハードウェアテクノロジー部門の両方を率いる。
ジョニー・スルージ氏
スルージ氏は2008年に入社して以来、「iPhone 4」などに搭載された初のアップル自社設計チップ「A4」の開発を主導した。その後もAppleシリコンをはじめ、バッテリー、カメラ、センサー、ディスプレイなど、多岐にわたるハードウェアテクノロジーのブレイクスルーを牽引している。
ターナス次期CEOはスルージ氏について、「経営陣の素晴らしいパートナーであり、並外れた最高ハードウェア責任者になるだろう」と期待を寄せている。
時価総額4兆ドルへ導いたクック氏の功績
クック氏は1998年にAppleに入社し、2011年にスティーブ・ジョブズ氏の後継としてCEOに就任した。在任期間中、Apple WatchやAirPods、Apple Vision Proなどの新カテゴリーが立ち上げられたほか、Apple PayやApple Musicなどのサービス部門は売上高1000億ドル規模の事業へと成長した。
クック氏のリーダーシップのもと、Appleの時価総額は約3500億ドルから4兆ドルへと1000%以上の拡大を記録。2011会計年度に1080億ドルだった年間売上高は、2025会計年度には4160億ドル以上へと約4倍に増加した。端末のAppleシリコンへの移行も推進し、業界をリードする電力効率とパフォーマンスを実現した。
クック氏は、「アップルのCEOを務め、これほど素晴らしい会社を率いることを任されたのは、私の人生で最大の栄誉だ」とプレスリリースのなかでコメントを寄せたほか、同社Webサイト上で「毎朝、世界中のアップルユーザーから届いたメッセージを読んできた」「あなた(アップルユーザーたち)は私の人生を最高の毎日にしてくれた」などと綴られた手紙が公開されている。
