JAXA「革新的衛星技術実証4号機」の超小型衛星8機の打ち上げ予定日が4月23日に決定
JAXA(宇宙航空研究開発機構)は2026年4月16日、「革新的衛星技術実証4号機」として打ち上げられる8機の超小型衛星(CubeSat)について、打ち上げ日時が決定したことを発表しました。
4月23日にニュージーランドから打ち上げ予定
革新的衛星技術実証4号機は、大学・研究機関・民間企業などが開発したハードウェアに宇宙での実証の機会を提供する、JAXAの「革新的衛星技術実証プログラム」における4回目の実証機会です。公募テーマは2022年6月〜7月にかけて募集され、8つの部品・機器と8機の超小型衛星が選定されています。
JAXAによると、このうち8機の超小型衛星は日本時間2026年4月23日(木)12時09分に、アメリカ企業Rocket Lab(ロケットラボ)の「Electron(エレクトロン)」ロケットで打ち上げられる予定です。
当初は2026年1月〜2026年3月に打ち上げられる予定でしたが、Rocket Labの打ち上げ計画見直しに伴い、時期が先送りされていました。
なお、選定された8つの機器類を搭載した「小型実証衛星4号機(RAISE-4)」は、2025年12月14日にElectronロケットですでに打ち上げ済みです。
ロケットラボ、JAXAの「小型実証衛星4号機」を打ち上げ(2025年12月14日)

8機の超小型衛星について
今回打ち上げられる超小型衛星は、以下の8機です。
なお、このうち「MAGNARO-II」「KOSEN-2R」「WASEDA-SAT-ZERO-II」「FSI-SAT2」の4機は、2022年10月に打ち上げられたものの軌道投入に失敗した「革新的衛星技術実証3号機」からの再チャレンジとなります。

MAGNARO-II(名古屋大学)
MAGNARO-IIは、複数の超小型衛星による多地点同時観測や継続的な地球観測に向けた技術実証を目的に開発されました。連結状態で打ち上げられた2機の衛星を、磁気力を利用して回転・分離させるとともに、希薄な大気との空気抵抗を利用して相対的な加速・減速を行うことで、編隊を形成・維持することを目指します。

KOSEN-2R(米子工業高等専門学校)
KOSEN-2Rは、海底地殻変動などの海洋観測データを効率良く収集する技術の実証を目的に開発されました。展開式の指向性アンテナを搭載し、海上のブイから送信されるデータをLoRa(※)通信で受信するとともに、魚眼カメラと磁気センサを融合させたデュアルリアクションホイールで高精度な姿勢制御の実証も行います。
※…省電力で長距離・広範囲の無線通信が可能な技術。

WASEDA-SAT-ZERO-II(早稲田大学)
WASEDA-SAT-ZERO-IIは、部品脱落によるスペースデブリ(宇宙ゴミ)の発生リスクを無くすことを目的に開発されました。衛星の枠組みにネジなどの部品を一切使わず、3Dプリンタを駆使して一体成型する技術を実証します。また、折り紙のように畳まれた膜面を展開する実験も行います。

FSI-SAT2(一般財団法人未来科学研究所)
FSI-SAT2は、超小型衛星による本格的な地球観測の実用化に向けた技術実証を目的に開発されました。CubeSat規格の最小サイズである1U(10cm立方)の衛星で、データ処理機能も備えた低コストな超小型マルチスペクトルカメラの動作を検証するために、可視光や近赤外線での画像撮影のほか、近赤外線を利用した光通信(受信のみ)や、高精度な姿勢制御技術の実証を行います。

OrigamiSat-2(東京科学大学)
OrigamiSat-2は、軽量で収納効率の高い展開式のリフレクトアレーアンテナ(※)の宇宙実証を目的に開発されました。折り紙技術を応用して10cm立方に畳まれた2層の膜面を、約25倍の投影面積に展開させることで、従来以上に軽量・高収納率の宇宙用展開アレーアンテナの実証を行います。
※…反射素子を配列させた平面状の反射板と送受信機を組み合わせたアンテナ。パラボラアンテナのような放物面(お椀型)が不要なので反射板を薄く・軽く作ることが可能で、送信時にアンテナを動かさずとも指向性を持たせられるなどのメリットがある。

Mono-Nikko(株式会社大日光・エンジニアリング)
Mono-Nikkoは、今後の超小型衛星の信頼性を向上させる基盤技術の確立を目的に、宇宙機のバッテリーの劣化や異常を軌道上でいち早く検知できる「インテリジェント電源ユニット」の実証を目的に開発されました。電圧や温度などの詳細なデータを取得・分析して、異常の早期発見や寿命予測を可能にする技術の実証を行います。

PRELUDE(日本大学)
PRELUDEは、地震に先行して発生している可能性が指摘されている電離圏の変動検知を検証する目的で開発されました。電場とプラズマを観測するハイブリッドセンサーが先端に取り付けられた長さ1.5mのブームを軌道上で2本展開し、電離圏D領域(高度80km)の変動の観測を行います。

ARICA-2(青山学院大学)
ARICA-2は、ガンマ線バーストなどの突発天体の発生時に民間の衛星通信を利用して速報するシステムの確立を目的に開発されました。イリジウムやグローバルスターといった既存の民間衛星通信ネットワークを利用して、通信の成功率やデータが届くまでの遅延時間を軌道上で検証します。
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文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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