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 ◇第98回選抜高校野球大会第10日 準決勝 智弁学園2―1中京大中京(2026年3月29日 甲子園)

 準決勝2試合が行われた。智弁学園(奈良)は中京大中京(愛知)に2―1で競り勝ち、優勝した16年以来10年ぶりの決勝進出。エース・杉本真滉投手(3年)が7安打1失点で完投した。大阪桐蔭は専大松戸(千葉)を3―2で破り、春夏合わせて10度目の優勝に王手。吉岡貫介投手(3年)、川本晴大投手(2年)による継投で逃げ切った。決勝はあす31日(午後0時30分開始)に行われる。

 エースの気迫が勝った。「顔に当たっても止めたる、と思っていた」と杉本。2―1の9回2死一、二塁からの投手強襲打に体を張った。左すねに当たった打球を追い、勝ち越し打の一塁手・逢坂悠誠(2年)にトス。決勝進出を決めた。直後に膝をついてしゃがみ込んだが「全然大丈夫。打撲もしてないくらい」とお立ち台でも座ろうとしなかった。

 勝つイメージはできていた。前半に直球を狙われ3回に先制を許した。しかし「勝負は後半。そこでギアを上げる」と中盤まで変化球も駆使してかわすと、7回以降に蓄えた力を発揮。9回2死での136球目には自己最速にあと2キロに迫る147キロをマークした。昨秋の近畿大会決勝で神戸国際大付(兵庫)に敗れ、力任せだったフォームを改造。冬に200球超えの投げ込みを重ね、後半勝負ができる形にたどり着いた。4試合計498球を投げ決勝に導いた。

 村上頌樹(現阪神)を擁した16年以来の頂点を目指す中、小坂将商監督は「杉本は村上とよく似たところがある。トレーニングも孤独に黙々と取り組むところも共通している」と左右の新旧エースの共通点に言及。杉本も「基本は一人でやってきた。しゃべりながらだったら練習にならない」と継承した。

 今大会3度目の完投で4戦4勝をマーク。10年前の村上先輩に続く5戦5勝で頂点へ。「1週間で500球」の球数制限で131球を残しており、完投も視野に入る。「エースとしての投球で先生の最後を飾りたい」と、勇退する井元康勝部長のラストゲームでの白星を誓った。 (鈴木 光)

 ◇杉本 真滉(すぎもと・まひろ)2008年(平20)7月8日生まれ、兵庫県明石市出身の17歳。小1から枝吉パワーズで野球を始めて投手や外野手を務める。野々池中では神戸中央シニアに所属。智弁学園では1年夏に背番号18でベンチ入りし、1年秋から背番号1。甲子園には1年夏以来2度目の出場。50メートル走6秒9、遠投90メートル。1メートル77、86キロ。左投げ左打ち。