日本発の技術で海底ケーブル通信容量が一気に4倍にアップ
さらなる大容量ネットワーク時代に備えて。
5Gに動画にAIサービスに。人類が消費するデータ量は右肩上がりですが、その土台を支える海底ケーブルの存在について考えたことはありますか?
海底ケーブルはあらゆる大陸を物理的に繋ぐ、いわば通信ネットワークの背骨。日本の場合はアメリカ、カナダ、オーストラリア、アジアなどと海底ケーブルでつながっています。世界中の海底ケーブルの状況を一覧できるサイトで見てみると面白いですよ。
2026年3月13日、NTTは海底ケーブルの構造を変えずに通信容量を4倍に拡大する画期的なシステム「マルチコア光ファイバー(MCF)」を発表しました。一気に4倍というのがすごすぎるな…。
太くできないなら、内部の車線を増やそう
海底ケーブルの通信容量は、収容する光ファイバーの芯数で決まります。しかし、現状の海底ケーブルはすでに上限である48芯を収容しているため、芯数を増やすにはケーブル自体を太くするしかないとされていました。
一般的なケーブルであれば径を太くすることは難しくありません。ですが水深8,000mの超高圧環境に敷設する海底ケーブルとなると、太くすることも困難です。
そこでNTTが提案したのが、光ファイバーそのもののコア数を増やすこと。これが「4コアマルチコア光ファイバー」です。
これによりコア数換算では48コア→192コアと、伝送容量は4倍へ大幅に増加しました。収容している芯数は48芯で変わっていないので、海底ケーブルの太さに変化はありません。
海底ケーブル本体のほか、海底ケーブルを陸上ケーブルに接続するジョイントボックス、通信局内で海底ケーブルを配線するMCFケーブル成端架、海底ケーブル同士を繋ぐ工場付きジョイントボックスを含めた「海底MCFケーブルシステム」として、商用の導入を想定しています。
2029年のインターネットは、もっと速く&安くなる?
今回のNTTの成果は、光通信技術に関する世界的イベント・国際会議OFC 2026でトップスコア論文として採択されており、世界中のエンジニアからも注目されています。今後は2029年頃の実用展開を目指しているとのこと。
消費者からするとネットワーク速度のアップが直接的な恩恵でしょう。敷設コストに対して4倍の速度が出ることを考えると、通信コストも改善されるかもしれません。5Gよりも10倍以上高速な、6G通信も2030年代に来ると言われていますしね。
最近はAIやバーチャル空間などぱっと見でわかりやすい技術が注目されがちですが、それらのデータが通過する情報の通り道となっているのは、物理的なケーブルです。そんな基盤の技術が日本発でアップデートされるというのは、胸がアツくなる話じゃないですか?
Source: NTT

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