【侍ジャパン】大谷 史上初先頭弾返しも最後の打者に…「本当に悔しい」 ロス五輪で雪辱へ
◇第6回WBC決勝ラウンド準々決勝 日本5ー8ベネズエラ(2026年3月14日 マイアミ)
敗戦から1時間20分後。私服姿で球場通路に現れた侍ジャパンの大谷は、真っすぐに前を見つめた。
「本当に悔しい。惜しいゲーム、勝てる要素の多いゲーム。全部が押し切られたというわけではない。所々で勝てる要素はあった」
DH登録で打者に専念し、メジャーの開幕を見据えて投手調整を進めたWBCが幕を閉じた。ただ、その“勝てる要素”を生んだのが大谷のバットだった。初回にアクーニャの先頭弾を浴びた直後の攻撃。左腕R・スアレスのスライダーを振り抜き、打球速度113・6マイル(約183キロ)の痛烈な打球を右中間席に運んだ。衝撃の「先頭弾返し」はWBC史上初の歴史的一発。MVP経験者の先頭弾の打ち合いは、100年以上の大リーグの歴史でも過去にない。今大会3号で通算4本塁打とし、吉田に並び日本選手最多となった。
3回は申告敬遠で歩かされ逆転劇を呼び込んだが、4、7回は2打席連続三振。9回2死で迎えた第5打席は右腕パレンシアの真ん中直球を打ち上げ、遊飛に倒れた。前回大会決勝ではクローザーとして優勝投手になったが、今大会は自身が最後の打者となり「正直、打てる球だった。仕留めきれなかった」。連覇の夢が破れ「素晴らしい経験だったけど、優勝以外は失敗というか…結果的にはそうなる」と悔しがった。
クラブハウスではナインと「また会おうね」と声をかけ合った。大谷が侍ジャパンの一員として出場する可能性がある次なる国際舞台は、MLB選手が出場する方向で進んでいる28年のロサンゼルス五輪。「代表戦はもちろん挑戦したい。どういう形で出場できるか分からないけど、次の機会に集中したい」とリベンジを誓った。
取材対応中もずっと投手用グラブの形が崩れないように大事そうに抱えていた。3連覇を目指すメジャーのシーズンがすぐに始まる。この悔しさを糧に、二刀流で再スタートを切る。(柳原 直之)
