ラブホテル清掃バイトの25歳女性が「働く前のイメージとは全然違った」と語るワケ。「底辺の仕事」と罵られても…
◆酔っ払って寝過ごし「延長料金払えない!」
--アルバイト中は、どんなトラブルが起きますか?
古山:酔っ払って入室する人が多いので、ショートタイムで2〜3時間過ごすつもりが、寝過ごしてしまいそのまま朝を迎えてしまうということはよく起こります。本当ならニーキュッパで済ますつもりが1万円を超えてしまったとなると、「払えない」とか「払わない」とお客さんからフロントに電話がかかってくる。そうは言ってもこちらもお金を払ってもらわずに返すわけにいかないので、どうしても退室したかったら代わりに身分証とスマートフォンを置いていってください、そしてお金を持って戻ってきてください、という対応をせざるを得ません。
--その学生さんにとっては相当強烈な社会勉強になりましたね。
古山:他にも、部屋にもお風呂にも血溜まりが残っていたり、一緒に来たお客さんの片方が慌てて逃げていったと思ったら残された方の荷物が盗まれていたり。日々いろいろあるんですが、私は退勤の時間が来たら帰ってしまうし、あまり大ごとにしたくないお客さんも多いので警察沙汰にまでなることは少ないです。部屋の中で本当は何が起こって、その後お客さんたちがどうなったのか、私が知る機会はほとんどありません。
◆「底辺の仕事」と罵られ 曲に込めた思い
古山:延長料金についてトラブルになったお客さんから「お前、ばかだからこんな底辺職にしか就けないんだろう!」と罵られたこともあります。
--ひどい言いがかり……。古山さんは「ラブホテルで働くということ」という曲を作られていて、今のエピソードも盛り込まれていますね。
古山:ラブホテルで働きはじめてからは、職場の人たちがみんな温かくて「ああ、好きな職場だな」と思っていました。でも周囲の評価は必ずしもそうではなくて。両親は「面白そうだからいいんじゃない?」という感じで反対していませんでしたが、親族には「4年も大学に通ったのに」、「ラブホテルで働いている人たちなんてろくでもないんだから」と言われて頭にきたこともありました。
そんなもやもやがあった上に、お客さんからも自分の上司にあたる人たちのことをズケズケ言われて「ここで働いている人たちのことを何も知らないのに」という思いが強まりました。決して「ラブホ清掃が底辺なんかじゃない」とか主張したいのではなくて、ラブホテルが職場として機能している、もう一つの日常のようなものを純粋に知ってほしいという気持ちが湧いて、曲ができていきました。
最近では職場の人の通勤ソングの定番に、今までの純烈に加えて私の曲が追加されたと聞いて喜んでいます。
◆ラブホ清掃バイトが「私の人生の彩り」
--「職場の人たちが温かい」ということでしたが、どんな方が働いているんでしょうか?
古山:私のような20代は少なくて、年配の女性が多いです。最初に私の指導係をしてくれた人は、まあぶっきらぼうな人で。初日に「よろしくお願いします」と挨拶をしても、「さっさとサンダルに履き替えてくれる?」とだけ返されました(笑)。その時は「なんだこの人、もうこのバイト先には来ないかな」なんて思ったんですが、夜中に一緒に休憩に入ってタバコを吸ったりしているうちに、徐々にお菓子をくれたり、一人暮らしで大変だろうと夕飯を持ってきてくれたりするようになりました。他のおばさんたちも決して分かりやすい形ではないけれど、とても優しいんです。今までのバイト先では周りの人からの扱いに傷付くことも多かったので、こんな職場今まで見たことないな、と感動しました。
