60代、自己肯定感が上がる「ひとり時間の過ごし方」。心が軽くなり、達成感もアップ
突然予定がなくなり、ぽっかり時間があいてしまった…。そんな経験はありませんか? 60代で著述家の中道あんさんは、そんなときに「行動を起こす」ことが自分の自己肯定感を上げることにつながると気がついたそう。今回、中道あんさんが感じた、人生が充実する「ひとり時間の有意義な過ごし方」について語ります。

突然できたあき時間に「ハイキング」へ

急に予定がぽっかりあいてしまった日、皆さんはなにをしますか?
私はある日、朝から出かける気満々で準備して、さぁ玄関を出ようとしたところで、約束の日を間違えていたことに気づきました。
「仕方ない、仕事をしよう」と一瞬思ったけれど、窓の外には透きとおるような青空が広がっていて、こんな秋晴れの日に閉じこもっていてはもったいないと感じました。そこで、ふと思い立って、近くのハイキングコースへ行ってみることに。
●60代のハイキング。荷物は軽装に限る
服を着替えて、ショルダーバッグに荷物をつめ替えます。ポットにはいれたてのコーヒーと、甘いものが欲しくなったときのために、キャンディを2粒。
訪れたのは、電車で数駅、バスで15分ほどの場所にある、子どもの頃から慣れ親しんだ「箕面大滝ハイキングコース」です。
近頃はすっかり姿を見かけなくなったけれど、野生の猿がいて、11月に入って秋が深まってくるとたいそうにぎわいを見せる紅葉の名所でもあります。有名なお土産は、紅葉の天ぷらです。
私が行った時期は、まだ落ち葉も少なく、木々は青々と生い茂っていました。ゆるやかな山道を登っていくと、どこからともなくキンモクセイの香りが漂ってきて、いい気分。急な坂もなく、整備された道を歩くと、川のせせらぎの音や鳥のさえずりが聞こえて、とても気持ちがいいです。
自分では健脚な方だと思っていましたが、ゆるやかに続く上り坂はじわじわと脚に効いてきます。
そんなときは、ちょっと立ち止まって、優雅に泳ぐ川魚を眺(なが)めたり、お寺に立ち寄ったりして、歩くリズムを変えます。そうすると、不思議と疲れがやわらぐのです。紅葉の時期ではなかったけれど、川辺を彩る青もみじをを眺めることができました。そうしていると次第に頭の中がスッキリしてくるから不思議です。
クルマも自転車も通らないから、イヤホンで音楽を聴きながら歩いてもいいように思うけれど、ただ目の前の景色を眺めて歩くだけの時間が、驚くほどぜいたくに感じられました。
一人だからこそ得られるチャンスも

この日は、前々から気になっていた、渓流沿いにある「學問の道・時習堂」へ立ち寄ることに。明治以降の偉人の成果を伝える展示室で、世界に誇る企業を創業した方々の格言を読むと、なんだか勇気をもらったような気がしました。
すてきな場所だったので、写真を撮ろうと思いつき、建物の外で三脚を立てて自撮りをしていたら、わざわざ館長さんが私の写真を撮ってくれました。
一人で出かけるともちろん話し相手はいませんが、一人だからこそ見知らぬ人と話すチャンスに恵まれることもあるのです。
ハイキングは全身の筋肉をバランスよく使うので、体力増進になります。さらに森林浴は、目だけではなく、耳や鼻にも刺激を得られて、心まで軽くなるように感じました。
充実した時間を過ごせたことが「達成感」につながる

今回、ぽっかりあいた時間にハイキングに出かけたことで、「思い立ってすぐに行動できた」という小さな達成感が得られて、自己肯定感がじんわり高まるように感じました。こうした達成感は、自分を信じる力につながるのだと思います。
予定がなくなった日を「残念な1日」にするか、「ご機嫌な1日」にするかは、自分次第。ふと頭に浮かんだことを行動に移すことで、思いがけない景色や気づきに、偶然と出合えることもあります。
そんな偶然の出合いにこそ、人生の大事なヒントが隠れているのかもしれません。
今日の出来事は、今は特別な意味をもたなくても、いつか「そういえば、あのときのあれ!」と、つながっていくことがあるかもしれない。だからこそ、「思い立ったが吉日」を大切に、これからも身軽に行動する自分でいたいと思います。
