今季、古巣の清水に復帰。愛着あるクラブへ恩返しすべく、結果にこだわる。(C)SOCCER DIGEST

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 攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第28回は、清水エスパルスのDF吉田豊だ。

 静岡県出身で2008年にヴァンフォーレ甲府でプロキャリアをスタート。2012年からは3シーズンにわたり清水でプレーし、その後、サガン鳥栖、名古屋グランパスを経て今季、古巣の“地元クラブ”に復帰した。

 加入1年目の今シーズンは、開幕戦からいきなり先発に名を連ね、ここまでリーグ戦15試合に出場(第17節終了時点/インタビューは5月22日に実施)。以前の在籍時と同じ、背番号28を背負う33歳のサイドバックは、愛着あるクラブへ恩返しすべく、並々ならぬ覚悟で日々を戦っている。

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 10年前くらい前に一度、在籍させてもらって、その後に鳥栖、名古屋で経験を積んだあと、清水がオファーをくれた。本当に感謝しています。

 こういった年齢で、古巣にもう一度オファーをもらってプレーできるというのは願ってもできない。本当に感謝しているからこそ、クラブのために自分に何ができるかを考えた時に、まずはピッチの上で結果を出すのが大切だと思いました。

 サポーターの皆さんやこのクラブのスタッフに、連れてきて良かったと思ってもらえるようなプレーをしなきゃいけない。自分が様々なクラブでしてきた経験を生かして、チームに還元したいという思いで清水に入りました。

 最後はJ1に上がるのが目標。でも今はとにかく、目の前の試合を1試合1試合大事に、勝点0で終わるというのはないように、そういった気持ちで残りの半分ちょっとをサポーターも一緒に戦ってほしいなと思っています。
 
「チームが強くなるために」を常に考えてプレーしている吉田。しかし今季は開幕から、5分2敗の7試合未勝利と苦しい時間を過ごした。自分の中の“焦り”の感情を押し殺して前を向いたという。

 清水は4月3日、ゼ・リカルド監督に代わって、それまでコーチを務めていた秋葉忠宏氏の監督就任を発表。ここからチームは息を吹き返し、勝点を積み重ねていった。

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 選手それぞれ思う感情もあると思いますけど、僕個人的の考えでは、選手たちに周りから期待されているものなど、重圧があったと思うんです。

 自分たちが勝って当然だと考えもあって、ただそんなにJ2は甘くなかった。相手も清水への対策を練ってくるわけで、いろんな要因が重なって開幕からなかなか勝てなかったところはあります。
 
 焦りがなかったと言ったら嘘になるんですけど、ただその焦りを周囲にあまり感じさせないように自分に言い聞かせていました。

 点が取れない、勝ち切れないなかでも、守備が強固であることは間違いなかった。良い守備ができれば必ず良い攻撃に繋がるし、必ず点も取れるというところは常に思っていたなかで、そういった考えを持ち続けていたからこそ、試合の結果も徐々に変わってきたと思っています。

 勝ち切れないというのはあったけど、良い守備にこだわったのもあって、監督が変わってから結果が出始めた。あの時にめげずに、ブレずにやってきて良かったです。

 監督が変わって、チームのインテンシティが上がりました。もちろん、リカルド監督の時にそれがないわけではないですが、前の選手、後ろの選手、途中から入る選手、エスパルスのメンバー全員が、常に練習から試合もインテンシティ高くやれたことが一番大きいです。

 やっぱり監督が変わればチームの雰囲気も変わる。そういうところで良い風が吹いたのかなと。
 
 サイドバックとして守備だけでなく、豊富な運動量を生かして果敢にオーバーラップを繰り返し、決定機を創出するなど、献身的なプレーが持ち味のまさに“仕事人”。そんな吉田にとって、攻撃における『バイタルエリア』とは――。