三井住友DSアセットマネジメントが運用する「グローバルAIファンド」について、三井住友DSアセットマネジメントの田村一誠氏、そして、実質的な運用を担っているアリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの井村真也氏と滝沢圭氏に、同ファンドが好調な運用成績を維持する銘柄選択の具体的な手法に迫った。(グラフは、「グローバルAIファンド」におけるテスラ株式の組入比率と株価の推移。2019年9月〜2020年10月)

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 コロナ禍が続く中、市場をけん引している米国テクノロジー株だが、ここにきて上昇に待ったがかかっているように見える。AI(人工知能)をはじめとするテクノロジーの進化・発展は間違いないと思われるが、テクノロジー株式の株価は上下に大きくブレている。中には、業績が期待ほど伸びずに株価が急落するテクノロジー銘柄も出てきた。引き続き好パフォーマンスを継続している三井住友DSアセットマネジメントが運用する「グローバルAIファンド」について、三井住友DSアセットマネジメントの田村一誠氏、そして、実質的な運用を担っているアリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの井村真也氏と滝沢圭氏に、同ファンドが好調な運用成績を維持する銘柄選択の具体的な手法に迫った。

 ――今の市場についての見方は?

井村 ヨーロッパでコロナ感染が再拡大し、米国大統領選挙の決着待ちの状況も加わって市場の不安定さは増している。ただ、コロナ禍については既に経験したことであり、感染抑制策についての知識も広まり、ワクチンや治療薬の開発も進展している。再び、3月のような大きな下落にはならないと考える。大統領選が決着するとともに、市場に落ち着きは戻るだろう。

 一方、テクノロジー関連株式は、デジタル・イノベーションの進展について疑いはなく、今後も引き続き市場のけん引役を担っていくものと考えられる。ただ、決算の数値が明らかになると、従前の予想を上回るところと、予想ほど業績が伸びていないところで明暗が分かれてきた。同じテクノロジーのカテゴリーの中でも株価の強弱もある。銘柄選別が重要になってきていると思う。

滝沢 テクノロジー株式は株価が買われ過ぎとの見方もあるが、それは一面的に過ぎると思う。「グローバルAIファンド」の運用チームは、目標株価に到達した銘柄には一旦利益を確定し、また、損切りラインにタッチした銘柄は、一旦はポジションを外して、改めて業績見通しなどを精査して再エントリーすべきかを検討するなど、非常にきめ細かな運用をしている。

 たとえば、一般的に1年先の予想業績に対してPER(株価収益率)が市場平均の何倍にもなって割高だといわれるが、当ファンドでは、3年、4年先の予想利益水準に対して妥当かという視点も持って判断している。また、創業間もなく売り上げが大きく伸びている企業では、売上高の成長率に加えて、EBITDA(税引前利益に、特別損益、支払利息、および、減価償却費を加算した値)の水準や成長率にも注目して評価するなどしている。経営陣の考え方や手法によって企業価値は異なる。その見極めが重要だ。

 当ファンドの運用チームは、業界で20年以上の経験を積んだメンバーが中心となっている。主要なテック企業の経営陣とは、定期的にミーティングを持てる関係を持ち、ライバル企業動向や業界全体の行方など、総合的な観点で個々の企業価値を判断している。そこが、運用の安定性や安心感につながっていると思う。

 ――具体的なテクノロジー株、銘柄選択(投資方法)のポイントは?

井村 クラウド・ストライクは、巧妙・複雑化するサイバー攻撃へのセキュリティ企業としてデジタル・トランスフォーメーション(DX)関連銘柄として大いに注目を集めた。ただ、2019年6月に新規上場した直後に株価が上昇したものの、バリュエーション面で割高と判断し、積極的な投資を控え、9月に調整した局面で投資を拡大した。その後、新型コロナを機に在宅勤務やクラウド・ベースのサービスが拡大する中、セキュリティ需要が高まり、株価が大きく上昇し、ファンドの基準価額の上昇に寄与した。