「子どもは可愛い、何人でも欲しい」と思っても、経済状況が許さないのが現実だ。掲示板ミクルに10月中旬、「子供3人目をどうするか」という相談が寄せられた。相談者は3歳と1歳の子どもを持つ30代の男性。地方在住で年収600万円ほどだという。相談者は子どもが大好きだが、金銭面と生活面への不安で2人が限界という考えだ。ところが、「3人は子どもが欲しい」という妻と意見が合わず、苦しんでいる。

相談者は、2人の子どもに「学びたい欲求や大学選びなど、金銭的な理由で諦めてほしくない」という。現状では周囲に頼れる親類はおらず、3人目を作るなら夫婦がフルタイムで働かないと難しいが、現在妻は働いていない上に都合の悪いことは自分の良いように解釈する性格で、

「贅沢をしなければなんとかなる」
「大学は奨学金を借りればいい」
「みんな大学に行くとは限らない」

と言い、3人目を渋るとヒステリックに怒るという。相談者は現在ですら、帰宅後に家事と仕事をして4時間睡眠で会社に行くという日々で、疲れ果てているようだ。(文:篠原みつき)

「奨学金を前提として考えるなんて子供には酷」

こういった悩みは、「夫が家事育児に協力的じゃないから、もう一人は無理」と考える妻のほうに多いように思うが、この夫婦は上2人に乳幼児がいても妻が子作りに積極的になれるくらい、家事の負担を夫が担っている様子だ。

スレッドの回答は、妻に対する批判や、夫に対する同情であふれた。

「これから大学全入時代に大学行くか分からんって冒険大好きな奥様なのですね」
「今や子供は贅沢品ですよ。2人でも頑張ってると思います」
「奨学金を前提として考えるなんて子供には酷」

金銭問題はもちろん、投稿者の家庭では、「出産の段階で行き詰まりませんか?」など、上の子をどうするのかという指摘も。「お金必要なのは子どもにだけじゃないですよね。自分達の老後」として、そのうち親の介護もあると畳み掛ける人もいる。また、投稿者よりも高収入だが経済的な理由で3人目を諦めたという人は、「1人3000万円かかる」と脅していた。

本当にそこまでかかるは人によるが、文科省の「子供の学習費調査」(2018年)によれば、幼稚園3歳から高校3年までの「15年間の学習費総額」は、すべて公立に通った場合541万円。私立なら1830万円となっている。これは給食費、塾や習い事を含む学費の平均だ。

大学に行けば、国公立なら授業料は1年間で約53万円、私立では90万円以上かかる。入学金は国公立関係なくも別途30万円前後、施設費、交通費、教材費はまた別だ。地方なら下宿代がかかる可能性もある(参照:文科省「国公私立大学の授業料等の推移」)。これが留年せず4年間で2人3人となると、当然苦しくなる家庭はあるだろう。奨学金の返済に苦しむ新社会人は少なくない。

夫の身体が心配!このままでは母子家庭になりかねない

それでも、世の中には3人以上を育てている家庭はたくさんあるし、幼児教育や高校無償化の動きもあるため、「なんとかなる」可能性もあるかもしれない。スレッドにも3人目を諦めなかった人はいたが、出産後数か月で保育園に預け、フルタイム勤務に戻ったという。

夫にとって残念なのは、妻がこうした働き方をすると言わず、負担を子どもや夫にばかり負わせてなんとも思っていないことだ。以前、妻から

「家事は私(夫)が趣味で好きこのんでやっている、睡眠時間が少なくても良い人だと思っていた」

と言われたことがあるという。いくら理由を並べても「子ども3人が夢」の妻は理解してくれないと嘆いていた。

何より心配なのは、相談者の身体のことだ。スレッドには、「とりあえず、睡眠時間削ってやっている家事はやめて様子見てみましょう」という助言も多く、筆者も同感だ。厚労省の2018年「医師の働き方改革に関する検討会」には、「長期間にわたる1日4〜6時間以下の睡眠は、脳・心臓疾患の有病率や死亡率を高める」というエビデンスが示されている。このままでは3人目どころか、母子家庭になりかねない。安心して子どもを生み育てられる条件は、当たり前のことだが、夫婦がお互い協力しあう気持ちだと考えさせられた。