入院中の女児と母親(画像は『Daily Star 2020年5月15日付「Baby left with deformed head after shampoo bottles fall from high-rise and hit her」(Image: AsiaWire)』のスクリーンショット)

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高層化が進む中国の都市部では、高層階から故意に物を投げる犯罪が急増している。広東省深セン市で今月11日、高層マンションから落下したシャンプーボトルにより生後6か月の女児が重傷を負った。『南方网』などが伝えている。

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広東省深セン市で今月11日夜9時頃、高層マンションのバルコニーから落下した2つのシャンプーボトルが母親と散歩中だった生後6か月の女児の頭部を直撃した。『北京搜狐焦点网』によると、容量が750mlと800mlのボトルは中身が詰まっていたという。女児は頭部が大きく腫れあがり、意識を失うと痙攣を起こし始めたそうだ。

すぐに救急車が呼ばれ、女児は深セン市児童病院へと搬送されて治療を受けたが、担当医師は事故から3日後の14日、頭頂骨にヒビが入り脳内出血を起こしていることや、機嫌が悪く嘔吐や集中力の欠如など脳震とうを起こした時の症状が出ていることを明らかにした。また小児神経外科医のリョウ・チュアンペン氏(Liao Chuanpeng)は「女児は監視下に置かれていますが、今後てんかんの発作が頻繁に起こる可能性もあります。長い目でみると命の危険もあり、今後は注意して観察していかなければなりません」と述べ、予断を許さない状況を明かしている。

一方で父親のガオさん(Gao)は、娘に降りかかった突然の事故を「信じられない」といった様子でこう語った。

「事故が起きた直後、妻はマンションの窓が開いている部屋がたくさんあったことを確認しています。ただ犯人を捜す時間もなく、妻は娘と一緒に病院に向かいました。娘は15日夜にはかなり危険な状態に陥り、正直なところ『もう助からないのでは…』と心配しましたが、今はなんとか落ち着いています。医師らは24時間体制で監視を続けていますが、『娘の脳がどれだけ損傷を受けているのか、今後の発達にどのような影響が現れるのか』と考えると非常に不安です。」

なお深セン市南山区の警察はこの事故についての捜査を進めているが、同マンションには監視カメラが設置されておらず未だに犯人は分かっていない。シャンプーボトルが落下したとみられるマンションは20階建てで170世帯が暮らしており、弁護士は「もし誰も名乗り出ない場合、マンションに住むそれぞれの世帯に損害賠償を請求する形になるでしょう」と語っている。

赤ちゃんの頭は柔らかく頭蓋骨の発達が十分ではないため、頭部外傷は後遺障害に繋がることも多い。2018年3月には中国広東省東莞市で、マンション24階のバルコニーから落下したリンゴが、マンション下にいた当時生後3か月の女児の頭部を直撃した。女児は重傷を負っており、リンゴを落とした当時11歳の少女の保護者は今年4月、賠償金約2800万円(185万元)の支払いを命じられている。

画像は『Daily Star 2020年5月15日付「Baby left with deformed head after shampoo bottles fall from high-rise and hit her)」(Image: AsiaWire)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)