「テレワークとかオンライン学習とか、これまでいろいろな理由があってできなかったことでも、今なら新型コロナウイルスを言い訳にすることもできるので、どんどん変わってほしい」と語るひろゆき

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"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。

今回のテーマは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で増えているテレワークについて。前編では、ひろゆき氏が「テレワークが本格的に導入されると、無能な人が炙り出されるだけに、そういった人を中心にいやがる動きは出てきそう」と語ると、堀江氏は「逆に言えば、使えないやつを炙り出すための方法として、テレワークが普及したりしてね」と答えた。

(この記事は、3月16日発売の『週刊プレイボーイ13号』に掲載されたものです)

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ひろ でも、例えば「投票もオンラインにしたらいいんじゃない?」と言う人もいますけど、それはやめたほうがいいと思います。今の日本の偉い人のレベルでシステムを作ると、中国やロシアにクラッキングされるだけでしょうから。それこそセキュリティがグダグダで、大規模な不正利用が起きた7payみたいになりますよ。

ホリ オンライン投票ができるに越したことはないけど、日本のIT大臣があのレベルだからなぁ......。

ひろ 僕もオンライン投票自体には反対ではないんですよ。例えば、台湾のIT担当大臣の唐鳳(タンフォン)さんの下でやるっていうなら賛成しますよ。

ホリ 唐鳳さんは日本の大臣と違って実務レベルでの専門家だからね。今回の新型コロナウイルス対策でも、マスクの在庫がひと目でわかるようなデータを公開したりしているし。

ひろ 唐鳳さんのような人が担当大臣になればいいんですが、日本ではまあ無理ですよね。大臣を選ぶ理由が優秀かどうかではないですから。そういう国なので、まともなオンライン投票システムを期待しようがないのかなと。

ホリ なかには「一度やってみて、不具合があればその都度修正すればいい」と言う人もいそうだけど。

ひろ 修正できると考えるところがすでに間違っていますよね。本当に優秀なクラッカーの場合、相手に「不正されている」と気づかれないようにやりますから。そして、10年ぐらいたってから「ずっとロシアに投票をコントロールされてたよね......」とわかって大騒ぎするみたいな。

ホリ 作るまでの時間もかかりそうだしね。

ひろ だから、最初から優秀な人でやらないとダメなんですよ。

ホリ じゃあ、ひろゆき的には選挙は今までどおりがいいってこと?

ひろ そのほうがまだマシだと思います。ただ、次の大きな選挙まで新型コロナウイルス騒動が収束していなければ対策を考えないといけないですよね。例えば、投票期間を1ヵ月間にして、人混みにならないようにするとか、期日前投票の期間を2ヵ月前ぐらいからにしちゃうとか。

ホリ でも、投票所ってそもそもそんなに混まないし、期日前投票で分散できるので問題ないって感じもするけど?

ひろ 場所によって混雑する所と空いている所が分かれるみたいですよ。

ホリ 投票だけでなく、オンライン教育とかも普及するといいよね。すでに「スタディサプリ」や「N予備校」といった学習サービスが無料で使えるようにはなっているけど、学校もオンライン学習が普及したほうがいい。義務教育レベルの内容は、偏差値50くらいある人なら、動画を見ながら自習すれば理解できるでしょ。

ひろ ホームスクールとかが増えてもいいですよね。そうすればイジメもだいぶ解決すると思うんですけど。

テレワークとかオンライン学習とか、これまでいろいろな理由があってできなかったことでも、今なら新型コロナウイルスを言い訳にすることもできるので、どんどん変わってほしいですけどね。とはいえ、既得権益とかが幅を利かせたがるので、まだまだ厳しそうですけど。

堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『99%の人が気づいていないお金の正体』(宝島社)

●西村博之(にしむら・ひろゆき
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。最新刊は『1%の努力』(ダイヤモンド社)

構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル