同社が運営するカジュアルブランド「マジェスティックレゴン」の店舗

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暖冬の影響で売上悪化、新型コロナウイルスの影響で来店客も減少していた

 (株)シティーヒル(TDB企業コード:581211209、資本金5000万円、大阪府大阪市中央区博労町4−5−9、代表中田勉氏、従業員427名)は、3月16日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日監督命令を受けた。

 申請代理人は内芝良輔弁護士(大阪府大阪市中央区今橋3-3-13、弁護士法人三宅法律事務所、電話06-6202-7873)。監督委員には、加藤清和弁護士(大阪府大阪市北区堂島1-1-5、梅田総合法律事務所、電話06-6348-5566)が選任されている。

 当社は、1986年(昭和61年)4月創業、88年(昭和63年)6月に法人改組。創業当初はニット製品の卸売業を手掛けていたが、95年2月に婦人服小売店を開設して以降、はレディース用ヤングカジュアル衣料品の企画・製造・小売を手掛け、一部バッグや靴、コスメ、アクセサリーなど小物も扱っていた。ブランドは相応の知名度を有する「MAJESTIC LEGON(マジェスティックレゴン)」(ターゲット層:18歳〜25歳)を主体に、「le. coeur blanc(ル・クール・ブラン)」などの3ブランドを展開し、直営107店舗・FC30店舗、ECサイト35店舗(2019年2月時点)を展開していた。

 関西、関東を主体に、主要都市や一部地方都市の商業施設やショッピングモールに出店、近年は中国・香港などに現地法人を設立して出店も加速させていた。2018年11月より低身長の男性向けブランド「WADMYC!(ワドミック)」の展開もスタートさせるなど顧客層を拡大させるとともに大手ECサイトにも積極的に出店することで売り上げを拡大し、2016年2月期には年売上高約143億9700万円を計上していた。

 しかし、その後は同業他社との競争激化や入居している商業施設の集客力低下により不採算店舗が増加したことで、2019年2月期の年売上高は約137億2800万円にまでダウン。この間、店舗や不採算ブランドのスクラップアンドビルドを進めたことで3期連続当期純損失を計上していた。さらに20億円を超える金融債務を抱え、在庫負担も重かったことで財務面も不安定な状態が続いていた。このため、2019年7月には金融機関にリスケを要請していたが、財務デューデリで9億円を超える債務超過に転落。その後も不採算店舗の閉鎖を続けたことで減収となっていたが、新型コロナウイルスの影響で、外国人、日本人ともに来店客が減少。民事再生による再建を目指すこととなった。

 負債は申請時点で債権者約250名に対して約50億円。