日本料理には欠かせない「しょう油」。お刺身や豆腐などに使うのが一般的だが、キッコーマンが意外な食材との組み合わせを推奨していた。

それは「バニラアイス」だ。


バニラアイスにしょう油!?(画像はKikkoman Suomiフェイスブックより)

バニラアイスにたっぷりと注がれるしょう油。これは、キッコーマンのグループ会社がフィンランドで運営している公式フェイスブックアカウントの投稿だ。

なぜこの食べ方をフィンランドで推奨しているのか...。Jタウンネットが、キッコーマンの広報担当にこの広告の意図を聞いた。

スイカに塩をかけるイメージ?

2019年12月12日、取材に応じた担当者によれば、今回の広告を投稿した「Kikkoman Suomi」というアカウントは、ヨーロッパでしょうゆの販売を行っているキッコーマンのグループ会社「KIKKOMAN TRADING EUROPE GmbH」が運営するもの。

フィンランドでマーケティング活動を行うためのものだという。


フェイスブックで配信(画像はKikkoman Suomiフェイスブックより)

Kikkoman Suomiのアカウントでは、12月5日にこの画像が投稿されている。説明文に書かれているは、次のような言葉だ。

「ヒント☆キッコーマン醤油は、冬のパーティーのデザートにも最適です。バニラアイスをサービング容器にうつし、表面に醤油をかける―完璧な味の組み合わせ」(編集部訳)

担当者によれば、キッコーマンは世界各国における現地の食文化に合わせて、しょう油のレシピを紹介している。北欧はヨーロッパの中でも「キッコーマンのシェアと認知度が非常に高い」マーケットとのことだが、なぜフィンランドに向けてこの食べ方を紹介したのだろうか。

「しょう油は、発酵・醸造によって300種類以上の香り成分があるため、様々な食材と共通の香り成分があり、相性が良いのが特徴です。また、味の対比効果といって、しょうゆの塩味で、素材の甘みを引き立てる効果があります。スイカに塩をかけるイメージです。
例えば、バニラアイスにしょう油を少しかけるとキャラメルのような風味が楽しめるため、アメリカやヨーロッパでは古くからこのレシピを紹介してまいりました。このたびフィンランド向けのフェイスブックでも、たくさんの方にしょう油のおいしさを知っていただきたく、投稿いたしました」(広報担当者)

なるほど...。たしかに甘いスイカに塩をかけると、アクセントになって味の違いを楽しむことができる。

キッコーマンの工場見学施設「キッコーマンもの知りしょうゆ館」(野田市)にある「まめカフェ」では、「しょうゆソフトクリーム」「豆乳しょうゆソフトクリーム」を販売しており、人気メニューだという。

キッコーマンの広報担当者は、この食べ方が話題になったことについて、

「たくさんの方にしょう油の新しい使い方を知っていただく機会になれば嬉しいです」

と話している。

実際に食べてみた

バニラアイスとしょう油の組み合わせも意外といけるかもしれない...。そう思った筆者は、さっそく試してみることにした。

用意したのは市販のバニラアイスと、キッコーマンの「いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ」だ。


バニラアイスとしょう油を用意

恐る恐るバニラアイスにしょう油をかけていく。すぐに染みていくせいか見た目はさほど変わらないため、かけ過ぎに注意だ。


ちょっとずつかけていく


完成!

この一手間が吉と出るか凶と出るか...。一口食べてみると、しょう油の苦みがほんのりが感じられ、バニラアイスの甘さと相まって「みたらし」のような味がする。筆者としては「アリ」だ。

編集部員にも食べてもらうと、

Y記者「おいしい。みたらしの匂いがする」
I記者「ああ、みたらし団子ですね。おいしいです」
S記者「まずくはない。きな粉があればいいかも」

との感想が。ただ、最初に味がしないからといってかけ過ぎてしまうと、後半がかなりしょっぱくなってしまうので要注意だ。

ツイッターでは今回の広告に驚く声が寄せられる一方、バニラアイスとしょう油の組み合わせは一定の支持を得ている様子。みなさんも一度試してみては。