学生の窓口編集部

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神奈川工科大学情報学部情報メディア学科の谷中一寿教授、白井暁彦准教授らはこのたび、映像を複数の視点から自然に正面に見えるよう同時表示するディスプレイ技術「同時空間共有ディスプレイ(SSSD:Simultaneous Spatial Shared Display)」と、その内部エンジンである「ExField」を開発した。近く国内とフランスでのVRに関する国際会議でも発表する。実用化に向け株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリと共同研究を推進する。

大学院情報工学専攻の総合プロジェクトとして、従来からメガネが不要な3Dディスプレイを研究する谷中教授と白井研究室の大学院生・鈴木久貴さんとの共同で、レンチキュラー板と呼ばれるプラスチックレンズおよび、リアルタイム画像合成ソフトウェア(Unity)によって幅広い利用者が利用できる機材構成において実験を通して完成させた。これには、
(1)視聴者の方向に対して異なる映像を表示可能
(2)視聴者の方向に対して、正しい矩形が保たれた表示が可能
(3)メガネ等の装着物やセンシング不要
(4)コンテンツ視聴方向に正しい指向性音響
(5)既存のディスプレイにユーザによって着脱可能
といった特徴がある。キャラクターやロゴマークのような、表示比率が正しく表示されるべき図画を視点に依存せず正しく表示可能な、新しい感覚のディスプレイ技術である。

本技術の応用の可能性は広く、デジタルサイネージ、裸眼3D 、映画館やライブイベント、図形にセンシティブなキャラクターやロゴ 、交通標識、美術やミュージアム、リモートロボットの操作、多人数で同時体験可能なAR (拡張現実感)広告、印刷物への応用、といった用途が提案されている。2020年に開催される東京オリンピックを背景に、3Dや4K/8Kといった高解像度ディスプレイに対して、強い推進力をもつ技術になることが期待される。

この技術は幾徳学園神奈川工科大学により特許出願中であり、2016年3月 23日(水) 〜27 日(土)にフランスで開催されるヨーロッパ最大のVRに関する国際会議Laval Virtualにおいて、そのプロトタイプである「GAD: Glassless Augmented Display for Public Signage」を一般・専門家向けに展示発表する予定である。国内では2016年3月 1日(火)に TEPIAホール(東京・北青山)にて、連携企業とともに初の発表会を行う。研究成果発表会である「エンタテイメントシステム工学研究会」は、白井准教授の専門とする科学コミュニケーションやエンタテイメント工学技術から、株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリといった企業を軸に、教育、医療、福祉、交通、施設、インフラ等へ、オープンな産学連携活動で活躍する企業パートナーが集まり、次世代の「おもしろいモノづくり」を共有する。参加無料(要申込)。

■白井研究室 研究成果発表会「エンタテイメントシステム工学研究会」(2016年3月1日(火)開催)
詳細: http://blog.shirai.la/blog/2016/02/20160301/
申込: http://j.mp/TEPIA20160301
■白井研究室「ExField」 http://blog.shirai.la/projects/exfield/ 動画あり
■白井研究室「ExPixel」 http://blog.shirai.la/projects/expixel/
■フランス Laval Virtual http://www.laval-virtual.org/