これは油断がならない小説だぞ、と46ページまで読んだところで呟いた。黒木あるじ『おしら鬼秘譚』(KADOKAWA)の主人公は、南東北を中心に発刊されている月刊タウン誌「みやぶら」で編集者を務めている桑見里帆という女性である。彼女が百貨店の催事フロアで行われている〈新春・せんだい古書フェア〉にやってくることから話は始まる。脱線するが、これは年末に行われている〈イービーンズ古本まつり〉がモデルだろう、と思っ