【書評】『遠い声、遠い部屋』/トルーマン・カポーティ・著/村上春樹・訳/新潮文庫/935円【評者】東山彰良(作家)母親を亡くした十三歳の少年が、生き別れの父親と暮らすために、縁もゆかりもない町へとやってくる。アメリカ南部の、ほとんど陸の孤島とも言える寂れた町だ。長旅の末に主人公のジョエルが目的の屋敷へたどり着いてみれば、当の父親はさっぱり姿を見せず、かわりに父親の再婚相手とその従弟との奇妙な共同生