By ntr23

Googleのウェブブラウザ「Google Chrome」は、2014年6月時点のシェアが19.34%とIEに続く第2位の地位にあるメジャーなブラウザなのですが、Windows PCで使用するとIEやFirefoxよりも消費電力が増加することが指摘されています。

Google's Chrome Web Browser Is Killing Your Laptop Battery - Forbes

http://www.forbes.com/sites/ianmorris/2014/07/14/googles-chrome-web-browser-is-killing-your-laptop-battery/



Google Chromeが電力消費量が大きいのは、「system clock tick rate」と呼ばれる、Windowsが内部的に持っているタイマー部分に起因するものであることがわかっています。

例えば、Windows 8搭載のPCで、OSを起動しただけのアイドリング状態だと、この数値は「15.625ms」です。Internet Explorer 11を起動させても数値は変わりませんが、YouTubeを見に行くと1.000msに変化。YouTubeを開いていたタブを閉じて普通のサイトのブラウジングに戻ると、数値も15.625msに戻ります。つまり、負荷のかかる作業が発生すると数値が小さくなり、負荷から解放されると元に戻る分けようになっています。

ところがGoogle Chromeの場合、IEと異なり起動しただけで数値が1.000msに変化し、ブラウザを閉じるまでは数値が変わりません。このため、Chromeを起動しているPCはIEやFirefoxを使っているPCに比べて電力消費量が大きくなり、ノートPCの場合はバッテリーの負担が大きくなってしまうわけです。Chromeには2010年に最初の報告があったtick rateに関するバグが今も存在しており、フォーラムでは「Chromeはシステムクロックのインターバル管理機能を備えてないのではないか」などと議論が行われています。

自分のPCのsystem clock tick rateを調べる方法としては、Microsoftが提供しているClockResを使う方法があります。



Forbesの記者が行ったテストによると、Google Chrome起動時の電力消費量は15〜20Wですが、完全に終了させると12〜15Wまで変化が見られたとのこと。記者はデスクトップPCでは問題になるほどの電力ではありませんが、ノートPCでは電力消費量は重要な問題であり、グローバルに考えるとバグが修正されるだけで世界中のGoogle Chromeを浪費しているPCの電力を抑えられると提言。一方で「tickless timers」と呼ばれる機能を持つMac OSおよびLinuxでは消費電力に変化がないため、このバグによって電力消費量が増加することがないとのこと。

なお現在できる対策としては以下の2つが提案されています。

・IEまたはFirefoxなど別のブラウザを使う

Chromium(クロミウム)のバグ報告ページで投票する(星をつける)



なお、Forbesの記事にはMacでChromeを使っているという人がコメントを書き込んでおり「どうしてMacでは大丈夫と書かれているんでしょうか。私のMac上では、Chromeでたくさんタブを開くとバッテリーがあっという間になくなるんですが」と、似たような現象が起きていることを報告しています。