【今週のカバーガールの胸のウチ】酒井若菜「大人になっても、生き方はいつでも変えられる」

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「どんなことがあっても30年は芸能を続けるぞ」

--芸能活動30周年の節目に、13年ぶりとなる写真集が発売されますが、どんな思いからスタートしましたか?

「芸歴が22〜23年の頃に『どんなことがあっても30年は芸能を続けるぞ』と決意していたので、無事にその節目を迎えられた喜びが大きいです。長く応援してくださっているファンの方にも喜んでもらえるものを届けたいなと思った時に、遠ざかっていた″写真集″という形もありなんじゃないかと。それに、担当編集の方から『海外でもいいですよ』と口説かれたのも理由の一つですね(笑)。私からの唯一の条件が『カメラマンが佐内正史さんなら』ということでした。撮影地の台湾は、打ち合わせの時に佐内さんがポーンと挙げた候補で、偶然私が一番行きたい国だったんですよ」

--それはすごい! 撮影現場や台湾での時間はいかがでしたか?

「佐内さんは、私が『ここを撮って』と思うキメの瞬間には絶対にシャッターを切らず、息を漏らしたふとした瞬間にパッと撮る方なんです。被写体としては手応えがなくて不安でしたけど、信じてすべてをお任せしました。

台湾の方たちは本当に親切で、食事も世界中を旅行してきた中でダントツの美味しさでした。どうやら佐内さんや現地スタッフさんが『絶対にこれを食べてほしい!』というイチオシを用意してくださっていたみたいで。いざ食べてみたら、出てくるお料理がどれもこれも本当に絶品。青菜ひとつとっても感動しちゃうくらい美味しかったです」

--今回、水着や下着姿を披露してますが、抵抗などはありましたか?

「もちろんありました。なので同世代の友人たちに相談したところ、『今水着を着たら逆に潔くてかっこいい。プラスに働くよ』と背中を押してもらえて、決意できました」

--その「潔(いさぎよ)さ」は、かつてグラビアから俳優へ完全シフトされた時の覚悟に通じるものを感じます。

「そうかもしれません。当時はグラビアアイドルから俳優に転身するという前例がなくて、風当たりがとても強かった。現場では役名でなく『グラビアさん』と呼ばれたり、出番の待ち時間に『お前は俳優じゃないから楽屋に戻るな、立ってろ』と言われたり、『洋服を着たお前に何の価値もねぇけどな』と陰口を叩かれることもありました。今の時代なら絶対に許されない環境でしたね。

でも、私みたいな大人しいタイプでも俳優になれるんだっていう道を切り開かなきゃ……みたいな使命感があったんです。当時、俳優としての才能があるのにステップアップできずに辞めていく仲間を何十人も見ていたので。『とりあえず10年我慢して続ければ認めてもらえるはず』と踏ん張りました。『池袋ウエストゲートパーク』(00年・TBS系)や『木更津キャッツアイ』(02年・同)といった宮藤官九郎さん(55)の作品に出会えたことが、俳優として認められる大きなターニングポイントになったと思います」

--クドカン作品といえば、同世代の役者さんたちと切磋琢磨された時代。業界のご友人で仲良い人はいますか?

「佐藤隆太くん(46)とは19歳で知り合って、『お互い10代から40代までこの世界でご飯を食べられているのは幸せなことだよね』ってよく話すんです。彼がまだ芸能界にいるなら、この世界も捨てたもんじゃないなと思うし(笑)。お互いにそう思っているので、何年か会わなくてもお互いの存在が静かな支えになってるんですよね」

他人にも自分にも

--最近は、YouTubeやnoteなどで、「生きづらさ」を抱える人の支えになるような発信をされているのが印象的です。

「広く世間に向けてというよりは、生きづらい人や病を抱えた人にのみ言葉を届けています。私自身が若い頃、話を聞いてくれる人がいたらよかったなと感じていたので、自分が求めていたそのポジションになれたらと思って。ファンの方から『生きる希望をもらえました』というメッセージをいただくこともあり、自分がやっていることには意味があるんだと思えています」

--酒井さんは40歳の時に生き方を見直す契機があったそうですね。

「そうなんです。『人生80年』というと古い言葉かもしれませんが、前半40年は自分のことを二の次にしてきたので後半はもうやめようと。それまでは朝6時出発の仕事でも、友達から相談の電話があると5時半まで話を聞いてしまうような生活だったんです。でも『まずは自分を大事にする″自分ファースト″にしよう』と決めたら、無理なことは断れるようになって、わりと生きやすくなりました。大人になっても、生き方はいつでも変えられるんだって」

--最後に、今回の写真集という大きな節目を経て、これから挑戦したいことや目標を教えてください。

「今年は大殺界、天中殺なので大人しくしています(笑)。数年後に、大人の女性のセカンドキャリア・サードキャリアを応援できるようなプロジェクトを立ち上げようと思っています。写真集とともに楽しみにしていただけると嬉しいです」

サカイ ワカナ

栃木県出身。’95年に芸能界デビューを果たし、FRIDAYをはじめ数々の雑誌で表紙を飾り人気を集める。その後、『池袋ウエストゲートパーク』『木更津キャッツアイ』などに出演。現在は俳優・作家として活動している

最近のマイベスト「ROUTINE」散歩

もともと散歩が好きなのですが、花粉の時期はなかなか出歩けず……。最近ようやく花粉が落ち着いてきたので、好きな音楽を聴きながら散歩する日課を取り戻せて嬉しいです

『FRIDAY』2026年5月15・22日合併号より

取材・文:松本 大