キッセイ薬品の血管炎治療薬「タブネオス」、投与後に20人死亡…新規投与控えるよう呼びかけ
キッセイ薬品工業(長野県松本市)は15日、国内販売する血管炎治療薬「タブネオス」(一般名アバコパン)を投与された後に死亡した患者が国内で20人報告されたと発表した。
重篤な肝機能障害も報告されており、同社は医療機関に新規投与を当面控えるよう求めた。厚生労働省は投与と死亡の因果関係を分析する方針で、薬による影響が明らかになった場合は追加の安全対策を検討する。
血管炎は、血管に炎症が起こることにより、発熱や倦怠(けんたい)感など全身に様々な症状が出る病気。患者数が少なく、顕微鏡的多発血管炎などは国の難病に指定されている。
同社によると、タブネオスは2022年6月に国内で発売され、今年4月27日までに推定で約8500人に使用された。肝機能障害は「重大な副作用」とされており、同社の調査では、死亡した20人のうち13人が胆管が消失する胆管消失症候群と報告された。使用から発現までの日数が特定できた患者は、いずれも3か月以内に発現していた。
同社は投与中の患者について、肝機能障害のリスクと代替治療を十分に説明した上で投与の継続を判断するよう求めている。
タブネオスの開発元は、米製薬アムジェン傘下の米ケモセントリクス。米食品医薬品局(FDA)の医薬品評価研究センター(CDER)は4月27日、有効性が示されていないうえ、承認申請の書類に重要な事実に反した虚偽の記載が含まれていたことが明らかになったとして、米国市場からの承認撤回を提案していた。開発元が治験段階でデータ操作や隠蔽(いんぺい)を行った疑義があるとしている。
