巨人・阿部慎之助監督

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 深刻な得点力不足に喘いでいる巨人。一時Bクラスに転落した際にはネット上では阿部慎之助監督の“休養”希望者が続出したものだった。しかし、2戦連続サヨナラ勝ちの興奮からか、手のひら返しで期待値が急浮上。特に、「新打順」に手応えを感じているファンは多いようで……。

【写真】息子とのキャッチボールでも厳しく指導にあたる阿部監督

 地方球場での開催となった広島との2連戦は大激闘となった。5月12日には、佐々木俊輔がサヨナラ2ラン。翌13日には坂本勇人が延長12回に通算300号となる逆転サヨナラ3ランを放ち、64年ぶりの地方球場2日連続サヨナラ勝ちとなった。下位相手に辛うじて勝ちを拾った形ではあるが、一時期の悲惨な空気感からは脱しつつある。ムードが変わった大きな要因の一つと言われているのが、阿部慎之助監督がようやく断行した「1番・キャベッジ」の解体だ。

 開幕から指揮官がこだわり続けたキャベッジの上位打線起用には賛否がありつつも、5月に入ると深刻な打撃不振に陥り、20打席以上無安打を記録。三振数はリーグワーストを独走し、1回表が「1アウトランナーなし」から始まる展開が常態化していたことから、ファンのフラストレーションは爆発寸前となっていた。

大谷のような“核弾頭”タイプの1番打者

「巨人の貧打線を象徴していたのが、『1番・キャベッジ』でした。開幕直前にはクリーンアップに据える構想を持っていた阿部監督ですが、開幕戦では突如、キャベッジを1番に起用。すると、いきなり初回先頭打者ホームランを放ち、大谷翔平のような“核弾頭”タイプの1番打者として、ファンも阿部采配に拍手を贈っていました。

 しかし、その後は不振が続き、さらには1番打者でありながら四球を拒否して外角のボール球を振り回し、出塁率も低迷。ホームランが出てもソロばかりなので大量得点に結びつかない。足を絡めて1点をもぎとる野球を標ぼうしていたはずが、足を使えないキャベッジのホームラン頼みになっていることには疑問の声が飛び交い始めました」(スポーツ紙記者)

 ファンにどれだけ批判されようとも頑なにキャベッジを1、2番に固定し続けてきた阿部監督。しかし、Bクラス転落危機を前にようやく動いた。

「12日の試合では、6番に打順を下げることを決断。代わって、1番に抜擢された平山功太が、プロ入り初の猛打賞を記録し、1点を追う7回には執念の同点打で期待に応えました。13日の試合でも6番のキャベッジが左中間スタンドへ先制弾。気楽な打順になったことで本来のパンチ力が戻り始めた格好です」(スポーツ紙デスク)

 ネット上では《1番の三振から始まる絶望感から解放されたのは大きい》《キャベッジはやっぱ下位でブンブンやってもらうのが一番良さそうだな》《阿部監督はキャベッジと心中するつもりかと思っていたが、ようやく現実を見たか》《やっと期待ができる打順になったけど、遠回りしすぎだよ!》《もっと早くからこうしておけば勝てた試合はたくさんあった》など、新打順を歓迎する声が多く聞かれる。

外国人選手はジェラシーを抱いて力む

「もっとも、守備には難があるだけに、それを差し引くと本来であれば上位打線で活躍してもらいたいのがファンや首脳陣の本音でしょう。阿部監督は、不動の四番に据えているダルベックとキャベッジを並べない理由を『外国人選手はジェラシーを抱いて力むから』と説明。プロとは思えない幼稚な理由にも聞こえますが、3番でも5番でもなく6番にしたことで、この“ジェラシー采配”は継続中。

 現在は泉口友汰の状態が悪いですから、3番に起用するプランもあっていいはずですが、そこはなぜか頑固です。ともあれ、2連勝したことでしばらくキャベッジは6番に固定してくるでしょう。『1番・キャベッジの呪縛』が解けたことで、相手投手との相性や調子のいい選手で上位打線を組むことがきるようになり、上昇気流に乗っていきやすくなったのでは」(前出のスポーツ紙記者)

 遠回りしてようやく見え始めた阿部巨人の「ベストオーダー」。迷走を“必要な授業料”に変えられるかどうかは、これからの逆襲劇にかかっている。