連帯保証人だった祖父の借金、孫も返済しないといけない?相続で「突然の請求」も…知らないと怖い対処法
家族の借金が思わぬ形で、自分の人生に悪影響を及ぼす──。こうした不安は、決して珍しいものではなく、現実の問題として迫ってくることもあります。
今年3月、X(旧Twitter)上で「祖父の借金」をめぐる投稿が話題となりました。
投稿者は、祖父が連帯保証人となった多額の借金について、取り立てが自分にも及ぶ可能性を知ったとし、「自分の身を守るために弁護士を目指す」とつづっています。
●「孫も払うの?」相続の基本ルール
弁護士ドットコムには、亡くなった祖父の借金について「孫も返済しなければならないのか」といった相談が寄せられています。はたして、法的にはどのように考えられるのでしょうか。
原則として、借金などの債務は、亡くなった人の相続財産として相続人に引き継がれます。
相続人となるのは、まず配偶者や子です。子がすでに亡くなっている場合には、その子の子(孫)が代襲相続人となります。
また、子や孫がいない場合や、これらの人が相続放棄をした場合には、親や兄弟姉妹など、法律で定められた順位にしたがって相続権が移っていきます。
その結果、孫が相続人となり、思いもよらなかった「借金の返済義務」を負う可能性があります。
●借金を引き継がないための「相続放棄」
こうしたリスクに対する有効な手段の一つが「相続放棄」です。
相続放棄をすれば、はじめから相続人ではなかったことになり、借金を含む“負の財産”を一切引き継がずに済みます。
ただし、「自己のために相続の開始があったことを知った時」から原則3カ月以内に家庭裁判所で手続きをする必要があります。期限を過ぎると、「単純承認」とみなされて、借金も含めて相続したものと扱われるおそれがあります。
なお、祖父の死亡時に子(孫にとって親)が存命し、その相続放棄がされれば、孫は改めて相続放棄をする必要がありません。
●生前贈与でも安心できない?注意すべきケース
また、生前に贈与を受けていた場合でも、その内容や時期によっては、債権者との関係で問題となることがあります。
たとえば、債務超過の状態で財産を移転していたようなケースでは、債権者から返還を求められる可能性があります。
個別事情によって結論が大きく変わるため、早めに専門家へ相談することが重要です。
身近な人の借金が、自分の問題として降りかかる可能性がある相続。トラブルを未然に防ぐためにも、基本的な仕組みと対応策を知っておくことが求められます。
【取材協力弁護士】
大和 幸四郎(やまと・こうしろう)弁護士
佐賀大客員教授。1988年中央大学法学部法律学科を卒業・1996年司法試験合格。
事務所名:武雄法律事務所
事務所URL:http://www.takeohouritu.jp/
