パ・リーグ初の月間MVPは?【プロ野球記録企画】
デイリースポーツの記録担当がプロ野球のさまざまな記録をひもとく新企画「記録の向こう側」(随時掲載)がスタート。今回はパ・リーグ初の月間MVPを取り上げる。
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Q…パ・リーグ初の月間MVPは?
セ・リーグから4年遅れで、パも採用した月間MVP。初の受賞者は、日本ハムのサイドスロー、高橋直樹だった。
前年78年は9勝と不本意なシーズンを送った高橋直は、雪辱を期して4月2日開幕戦・ロッテ戦(後楽園)の先発マウンドに立った。3失点で完投勝利を挙げると、一気に波に乗る。この月5戦5勝、うち4試合が完投勝ち。18日・近鉄戦(日生)では五回途中から救援に立ち、5イニングのロングリリーフで勝利をつかんだ。月が変わっても勢いは衰えない。5月の初登板、3日・ロッテ戦(仙台)で完封し開幕6戦6勝という、圧巻の好スタートを切った。
最高の滑り出しを見せた高橋直はこの年、キャリアハイの20勝(11敗)を挙げる。最多勝こそ21勝の山田久志(阪急)に譲ったものの、充実のシーズンは4月の好成績がもたらした。
ところが、男の人生なんて一年先すら分からない。翌年80年には10勝9敗と、勝ち星は半減。ドラフト1位の木田勇(日本鋼管)が22勝を挙げ、世間の注目は一気にこの黄金ルーキーに移った。当時のパ・リーグは2シーズン制度をとっていた。後期の土壇場で近鉄に優勝をさらわれ、大沢啓二監督は絶対的な抑え投手の必要性を痛感。同年オフ、広島・江夏豊の獲得を熱望した。交換要員として指名されたのが高橋直だった。日本ハム側は「彼だけは勘弁してくれ」と渋ったが、広島サイドの熱意に折れた。
81年に最多セーブでMVPとなった江夏に対し、高橋直は2勝に終わる。82年シーズン中に今度は、西武にトレードされる。7勝を挙げたサイドスローは、翌年83年13勝と完全復活。西武黄金時代の到来に腕を貸したのだった。(デイリースポーツ・高野 勲)
A…79年4月の高橋直樹(日本ハム)
