GWに異例の大混雑…全国から北部九州に殺到する“ファン”のお目当ては? 佐賀県有田のお祭りに“1週間で117万人”が訪れる理由
日本の大規模祭りといえば、京都の「祇園祭り」や「五山送り火」、札幌の「さっぽろ雪まつり」、青森の「青森ねぶた祭」などが挙げられる。他にも徳島の「阿波踊り」、「博多祇園山笠」なども有名なところだ。
これらの開催時期は主に夏を中心に、年間を通じて様々な時期に行われているが、ゴールデンウィークの時期にお祭りが活況なのは、実は北部九州であることをご存じか。【中川淳一郎・ネットニュース編集者】
【写真】北部九州のGW最大級イベント「陶器市」は、全国各地から焼き物ファンが集う
凄まじい売り上げ
具体的には、200万人が訪れる福岡市の「博多どんたく」に加え、佐賀県西部の有田・伊万里・唐津、さらには長崎県の波佐見で行われる焼き物・陶器関連の祭りである。特に今年の有田陶器市は4月29日から5月5日までの7日間に117万人が訪れるほどの大盛況だった。なお、有田町の人口が約1万8000人であることを思えば、その人流の凄まじさがお分かりいただけるだろう。

と、北部九州ではGWが大盛り上がりになるのだが、北部九州といえば、福岡はさておき、大分、長崎に加えて筆者の暮らす佐賀と、イメージが地味なため(失礼)、本当にそんなに賑わっているのか、疑問に感じるかもしれない。だが、実際に全国から多くの人々が訪れているのである。しかも、焼き物に関心があり、金銭的に余裕があり、さらに美意識の高い上品な人々が。だからこそ、GWの北部九州は盛り上がるのだ。
祭りの開催による経済活性化は、この地域で働く一労働者である私としても、かなり実感できた。私自身は編集者が本職なのだが、ある程度のネタを得るためと、様々な人々との交流を求め、週に1回、唐津のバルでアルバイトをしている。普段は毎週金曜日の15時〜20時が勤務なのだが、4月29日から5月5日まで開催された「唐津やきもん祭り」の際は、初日の4月29日とレギュラー勤務である金曜日の5月1日の2日間、店に入った。
すると、この両日の売り上げがすさまじいのである。具体的な金額は述べぬものの、来客組は2.5倍で、売り上げは3倍である。来客者の中には、博多どんたくに参加したうえで、唐津・伊万里・有田・波佐見の焼き物関連のイベント全てをハシゴするという人もいた。普段はベテラン従業員がワンオペで店を切り盛りするのだが、この日は初心者である私と、もう一人の女性を合わせて3人での運営体制となったほどである。それでも、その人件費を払って余りある売り上げが達成された。
焼き物がリーズナブルに入手できる
お客さんの中には「毎年来ているんですよ! 私にとって年に一番の楽しみです!」とすら言う人もいるほどである。GWといえば、東京ディズニーリゾートやUSJ、富士山を見渡せる景勝地に、京都、奈良、大阪、神戸や白川郷といった観光名所に加えて、地元に帰省する人も多い。
そうしたなか、「焼き物」という渋い趣味をきっかけに佐賀・長崎を訪れる人は少なくないのである。
これら焼き物関連の祭りについては、掘り出し物が多く出品されることが知られている。超一流の窯の作品を安く買うことはさすがに難しいものの、普段使いの波佐見焼・有田焼・伊万里焼・唐津焼をリーズナブルな価格で買うことが可能なのである。名だたる作家の作品を1500円や2500円で買うことができるのだ。
焼き物というものは、作家が大成した場合は、取引金額が上がるような側面もある。今回、私が購入した小鉢と皿も、将来的に転売した場合は、より高い金額を得ることができるだろう(まぁ、一生モノとして売る気はないが)。
九州全体を見渡すと、都会の人々は「福岡」だけに目が行きがちである。だが、その周辺の大分・佐賀・長崎も含めて、九州は一体化した経済圏であり、観光においても、この度の「焼き物ロード」的な楽しみ方ができるエリアである。
別にGW時期だけでなくこのエリアは様々な楽しみ方ができる。博多の楽しみ方はいわずもがな、唐津・伊万里・有田・波佐見の焼き物ロードはいつ訪れても、焼き物好きにはたまらないはずだ。お気に入りの焼き物を求め、今度お休みが取れたらこのエリアに足を運んではいかがだろうか。
ネットニュース編集者・中川淳一郎
デイリー新潮編集部
