庭に映えるシンボルツリー、1本で南国リゾート気分…手入れが楽で孫の代まで楽しめる「ヤシの木」
戸建て住宅の庭の主役となるシンボルツリーに、ヤシの木が選ばれることがある。
美しく広がる葉や太い幹などの存在感が魅力で、手入れは比較的楽だ。洗練された南国リゾートの雰囲気で住まいを演出できる。(岩浅憲史)
茨城県守谷市に住む会社役員の男性(41)は2019年に戸建て住宅を新築した際、玄関前にココスヤシ1本を植えた。高さや幅はそれぞれ6メートルほどあり、放射状に広がる大きな葉や太い幹には迫力がある。葉が風にそよぐと、涼しげに見える。
男性は自宅におしゃれなシンボルツリーが欲しかったという。夜はライトアップをしており、「家族と眺めながら過ごすのが楽しい」。
手入れは時折水やりをして、枯れた葉をはさみで取り除く程度。まっすぐに伸びるワシントンヤシ1本も植えており、費用は計約70万円(工事費など込み)。
同市のモダンな平屋住宅に住む会社員男性(48)は洋風に作り直した庭に23年以降、ココスヤシと太い幹のオニサバルヤシの計3本を植えた。費用は約250万円(工事費など込み)。リビングや寝室の窓から間近に望める。建物と調和しており、「外国の海岸沿いに住んでいる気分を味わえて、癒やされる」と満足した様子だ。
これらの植栽を手がけた、造園会社「ウイラニガーデナー」(茨城)では国産や外国産のヤシの木を扱っている。25年の1年間で茨城県内を中心に約100軒の住宅の植栽工事を手がけた。
ヤシの木の寿命は一般的に60〜100年と長く、社長の森山晃良さんは「2、3世代にわたって長く楽しめる。手入れの手間いらずで、庭に映えるシンボルツリーとして人気です」と話す。
森山さんによると、シンプルな外観の住宅でも、玄関まわりやリビング前の庭などにヤシを植栽すれば、住宅の印象が引き締まるという。白色のフェンスやウッドデッキなどと組み合わせれば、開放的なアメリカ西海岸風の庭に仕上げられる。
主に埼玉や群馬など首都圏の住宅2000軒以上に植栽した、ヤシの木の専門店「ザルゲートガーデン」(埼玉)の運営会社社長、富田和也さんは「庭に1本植えるだけで住宅にしゃれた雰囲気を取り込める。地域の気候に適した品種選びや防寒対策などは必要です」と話す。
ヤシの木は比較的温暖な関東や西日本などで、住宅の庭やマンションの外構への植栽が多く見られる。乾燥や暑さには強いが、寒さや霜、積雪で葉が枯れてしまうことがある。耐寒性のあるココスヤシやサバルヤシ、ワシントンヤシ、チャメロプス、カナリーヤシなどを選ぶ方法もあるという。
関東以北の地域などでは冬場、幹を不織布やシートなどで巻く。枯れた葉はこまめに取り除き、風通しを良くして害虫の発生を防ぐ。
また、植栽する場所には注意する。成長すると葉は2〜3メートルに広がり、樹高が10メートル以上になることもある。近隣の家の敷地や住宅の屋根、電線に葉がかかったり太陽光を遮ったりしないよう、2、3メートル以上の十分な間隔を空ける。
「地域で実績があり信頼できる専門業者に相談し、検討してみてください」と富田さんは話している。
